【サルタムーラ流・風絡弓術】
- 入門条件
- フェアリーテイマー技能&50名誉点
この流派は、“風の妖精の支援を受けて、弓矢を巧みに操る”という、他の種族がエルフに対していだく、典型的なイメージをまさに体現するものです。
他種族がいだきがちな偏見に反して、実際に弓矢を好んでもちいるエルフは、そこまで多くありません。妖精魔法と弓術の両方を高い水準で修めた者となると、まれと言ってよいほどです。
それというのも、エルフは魔法について高い適性をもつことから、なまじの射撃よりも魔法を振るったほうが、優れた成果を得やすいからです。魔法に熟達した者ならばなおのこと、弓をあつかう必要性は少なくなります。
もっとも、上記はあくまで、全体的な傾向にすぎません。
弓と魔法をともに修めたエルフもいくらかは実在し、この流派は、そうしたエルフのひとりに端を発します。
現在から三百年ほど前、〈大破局〉時の天変地異の影響で、ひとりのエルフが住処を失いました。
そのサルタムーラというエルフは――エルフにしては珍しいことに――柔軟に状況に対応しました。天変地異によって動植物も大きな影響を受けた以上は、狩猟と採集による従来の生活を再開するのは難しいだろう、と迅速に判断したのです。
サルタムーラは、荒れた森を出て、傭兵として振る舞うことにしました。当時は激動の時代であり、多数の蛮族が跋扈していたため、武力の買い手に困ることはありません。優れた弓術と魔法の技倆をもつサルタムーラは、日々の糧を安定して得られました。
その戦いの日々の中でサルタムーラが作りあげたのが、この流派にあらわされる、特殊な射撃術です。
かれの敵であった蛮族の中には、小細工を弄するもの、魔法をあつかうもの、徒党を組むものなども多く、狩りの延長線上の戦い方のみでは、苦戦を強いられることもままありました。
そこでサルタムーラは、多様な敵の手管に対処すべく、妖精魔法を応用し、矢にさまざまな特殊な力を付与する技術を編み出しました。これは覿面にはたらき、魔法を帯びた矢は、疾風のごとき鋭さと、嵐のごとき威力をもって、蛮族を討ち倒していきました。
サルタムーラの評判が広まるにつれ、弓術や妖精魔法の心得がある者が、かれに師事を乞うことが増えていきました。傭兵らしく、サルタムーラは金銭的報酬を条件に技を教えることを了承します。それから長きにわたり、弟子たちの解釈を経て、この特殊な弓術は流派として整理されました。
この技を修めた者は今や大陸各地に存在し、学ぶ機会を得ることはあまりむずかしくありません。
なお、開祖サルタムーラ自身は、エルフをして老齢ながらに、現在も傭兵として放浪の日々を送っているようです。
変更履歴
- 2025-09-01 14:29
- 〈翡翠のグローブ〉をリメイクしました(器用度の上昇から、秘伝魔法の行使判定の省略になりました)。これは、流派の秘伝魔法に命中を助ける効果が潤沢であり、器用度を高める効果があまり有用にはたらかないという構造を考慮してのものです。
- 2025-08-31 13:42
- 13ランクに位置していた秘伝魔法【オートエイミングⅡ】を削除し、【パーフェクトエイミング】のランクを「15」から「13」に引き下げ、必要名誉点を「150」から「100」に引き下げました。これは流派に属するデータ数を削減することを目的としたものであり、【パーフェクトエイミング】は【オートエイミングⅡ】の直近のランクでありながらも実質的な上位互換であったという、冗長な構造を解消するためのものでもあります。なお、これにともない、【オートエイミングⅠ】を、ローマ数字を取り除いた【オートエイミング】に改称しました。
- 2025-08-31 13:33
- 【パーフェクトエイミング】の効果を、“「抵抗:必中」にする”というものから“命中力判定に自動成功する”というものに変更しました。これは、一般的な武器攻撃の処理フロー(⇒『Ⅰ』141頁)に寄せることを意図したものであり、ルーリングの簡略化を目的としています。結果として【ミサイルプロテクション】を実質的に無視する機能は失われましたが、それについては専門の秘伝魔法【カウンタープロテクション】が存在することから、むしろ正常なデザインに近づいたと考えています。
- 2025-08-31 13:24
- 【スクリューアロー】が【シュートアロー】に適用されないように改定しました。これは、データおよびゲームプレイの簡略化を意図したものです。
- 2025-06-25 20:37
- 【パーフェクトエイミング】の効果に、攻撃対象の達成値が必要な場合は0とみなす旨を記載しました。
- 2025-06-25 20:33
- 《飆れ舞う星群》に《魔法制御》を適用できるようにしました。
- 2025-06-15 20:08
- 《飆れ舞う星群》に宣言特技の適用を禁じる旨を追加しました。
- 2025-06-15 20:06
- 詳細設定の言い回しを調整しました。
流派装備
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
翡翠のグローブ | 10 | 装飾品:手 冒険者技能用アイテム | 2,500 +20名誉点 | 秘伝魔法をサイコロを振らずに行使できる。〈妖精使いの宝石〉を兼ねる |
魔風の矢 | 10 | 〈矢弾〉 | 2,100 | 秘伝魔法の効果を受けておこなう射撃攻撃のダメージ+1、風属性魔法ダメージを与える。非命中時回収可 |
秘伝
《飃る狩人》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《マルチアクション》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 秘伝魔法
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 魔法行使の後に遠隔攻撃をおこなう
- 効果
この流派の秘伝魔法の行使を主動作でおこなうときに宣言し、その1回に有効です。
その魔法行使の直後に、任意の技能による遠隔攻撃を1回おこなえます。
《止め処なき颶風》
- 必要名誉点
- 70
- タイプ
- 《ダブルキャスト》変化型
- 前提
- ―
- 限定条件
- 秘伝魔法
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 秘伝魔法を追加行使
- 効果
風の妖精と深く交感し、迅速に多くの支援を受けます。
この流派の秘伝魔法の行使を主動作でおこなうときに宣言し、その1回に有効です。
その魔法行使の直後に、追加でもう1回、この流派の秘伝魔法を行使できます(基礎特技と異なり、ランクの制約がなく、魔力が-10されることもありません)。
《飃る狩人》と同時に宣言した場合には、この秘伝の効果による追加の魔法行使の後で、《飃る狩人》の効果による遠隔攻撃をおこなってかまいません。
《飆れ舞う星群Ⅰ》
《飆れ舞う星群Ⅱ》
- 必要名誉点
- 50
100
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- 《武器習熟A/ボウ》
《武器習熟S/ボウ》《飆れ舞う星群Ⅰ》
- 限定条件
- 自然環境、風属性契約、〈ボウ〉
- 使用
- シューター技能
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- MPと大量の矢を消費し、〈ボウ〉による範囲攻撃をおこなう
- 効果
風の妖精とともに、大量の矢をまとめて放ちます。
この秘伝は、習得者が自然環境にあり、かつ、妖精魔法において風属性を契約しているあいだのみ、使用できます。また、使用にはMP5点の消費が必要です。
広範囲に対し、シューター技能をもちいた〈ボウ〉による射撃攻撃をおこないます。具体的な対象は次のとおりです。- 《飆れ舞う星群Ⅰ》
- 「対象:1エリア(半径3m)/5」
- 《飆れ舞う星群Ⅱ》
- 「対象:1エリア(半径4m)/10」
この最大対象数に等しいだけ、矢をまとめてつがえ、消費します(実際に対象となるキャラクター数ではなく、効果の最大対象数によって必要な本数が定まります)。それらの矢は、すべて同じ種類のものでなければなりません。この攻撃に使用した矢は、実際の命中の成否にかかわらず、“非命中時回収可”であっても回収不能となります。〈竜牙の矢〉のような、攻撃の「形状」を変化させる、または、複数の対象をとりうるような他の効果との併用は、できません。
この攻撃に、宣言特技や宣言型の秘伝は、原則として宣言・適用できません。ただし、これは射撃攻撃であって魔法行使ではありませんが、例外的に《魔法制御》にかぎってこの攻撃に宣言でき、それによって効果範囲内の任意のキャラクターを対象から除外できます。
命中力判定は1回のみおこないます。ダメージの決定は、対象となった具体的なキャラクターごと、個別におこないます。むろん、使用した矢のもつ効果は発揮されます。
習得者が望むならば、《飃る狩人》の効果による射撃攻撃の代わりに、この秘伝を使用することができます。
秘伝魔法
これらは、「属性妖精魔法(風)」です。習得自体に技能レベルの制約はありませんが、行使にはそれぞれのランクを満たすような契約が必要です。
なお、いずれも「時間:10秒(1ラウンド)」で術者の攻撃に恩恵をもたらす効果でありながら、補助動作では行使できません。そのため、実際的な運用には、秘伝《飃る狩人》の介在が必要となります。(《魔法拡大/時間》を併用し、手番をまたいで運用することも不可能ではありませんが)
- 5
- 【オートエイミング】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP4
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 風
- 概要
- 遠隔攻撃の命中力判定+2
- 効果
風の妖精の導きにより、精確に矢を的中させます。
術者がおこなう遠隔攻撃は、命中力判定に「+2」のボーナス修正を得ます。
- 7
- 【ファーラウェイ】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP4
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 風
- 概要
- 遠隔攻撃の射程を延長する
- 効果
風の妖精の助力を得て、矢を遠くまで届けます。
術者がおこなう遠隔攻撃の「射程」を延長します。- 基本戦闘
- 「射程:1(10m)」のものが「射程:2(20m)」に延長されます。
- 上級戦闘・熟練戦闘
- 10m延長されます。術者のフェアリーテイマー技能レベルが10以上なら、追加で10m延長されます。
- 9
- 【カウンタープロテクション】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP10
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 風
- 概要
- 【ミサイルプロテクション】を無視する
- 効果
矢に風の妖精の力を込め、矢避けの魔法を中和します。
術者がおこなう遠隔攻撃において、攻撃対象が帯びている妖精魔法【ミサイルプロテクション】、ならびに、それに準ずる能力は、効果をあらわしません。
- 11
- 【スクリューアロー】
- 必要名誉点
- 70
- 消費
- MP7
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 風
- 概要
- 矢・太矢の威力を+5し、クリティカル悪化・無効化を無視
- 効果
風によって矢を旋回させ、装甲を貫く力を与えます。
術者が〈矢〉または〈太矢〉をもちいておこなう射撃攻撃は、威力が+5され(威力の上限は「100」です)、攻撃対象がもつクリティカル悪化・クリティカル無効化の効果を無視します。これは、特殊な矢や太矢による攻撃にも有効です。
(他の秘伝魔法とは異なり、遠隔攻撃全般には適用されません)
- 13
- 【パーフェクトエイミング】
- 必要名誉点
- 100
- 消費
- MP12
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 風
- 概要
- 遠隔攻撃が自動成功する
- 効果
風の妖精から強力な援護を受け、必中を実現します。
術者がおこなう遠隔攻撃の命中力判定は、サイコロを振らずに出目が「6・6」であったものとして自動成功します。(攻撃対象が回避力判定を試みることは可能であり、自動成功したならば回避します)