【癒し手たちの光】
(ブルライト地方・ハーヴェス王国)- 入門条件
- 50名誉点
冒険者の戦闘には、軍隊や傭兵のそれとは異なる傾向があります。それは、“少人数のチーム”で、しばしば“圧倒的な難敵と戦う”ことです。むろん、どのような戦いが起こるかは依頼ごとに千差万別ですが、冒険者が引き受ける依頼には、そうした状況が起こりやすいのです。これは、そもそも冒険者という役割が、危険に挑む存在であることから、ある意味では当然です。
さて、そのような苛酷な戦いで重要となる要素のひとつが、“癒し手”です。強敵の放つ剣戟、魔法、ブレスなどで傷ついた者を、すみやかに癒すことができなければ、次の瞬間には仲間が地に伏していることになりかねません。
パーティに欠かせない“癒し手”は、神官が担うのが典型的です。強力な治癒魔法を扱え、それでいて妖精使いや奈落睨士よりは多く存在するわけですから、これもまた自然なことでしょう。
ここで問題は、神聖魔法は、(真語魔法や操霊魔法ほどには)技術的な整理がされていないことです。いきおい、実践的な技法もあまり確立されてはいません。
近年、“冒険者の国”とも言われるハーヴェス王国(⇒『Ⅰ』379頁、『ブルライト博物誌』42頁)で、この問題への取り組みが始まりました。状況を問題視した有志の冒険者たちが、実践の中で培った技術を、相互に共有するようになったのです。冒険者ギルド支部〈ドラゴンファイア〉(⇒『ブルライト博物誌』47頁)に属する者たちが中心となって情報交換を進めており、とくに有用性の高いいくつかの技法は、“他人に教えることができる”水準まで整理されつつあります。当地の神官のあいだでは、【癒し手たちの光】の通称で知られ、かれらの戦いを支えています。
流派アイテム
この流派には、現在のところ流派アイテムはありません。
秘伝
「限定条件:威力で回復する神聖魔法」
この流派の秘伝は、「威力で回復する神聖魔法」という「限定条件」をもっています。
「威力で回復する神聖魔法」とは、“HPを回復する効果の神聖魔法で、その回復量の決定に威力表をもちいるもの”を意味します。
通常の神聖魔法では、【キュア・ウーンズ】【キュア・ハート】【キュア・インジャリー】【キュア・モータリー】が該当します。もし前述の定めに合致するものがあれば、特殊神聖魔法やいずれかの流派の秘伝魔法などでも、この「限定条件」を満たします。
“「抵抗:任意」とする”
一部の秘伝は、魔法を「抵抗:任意」に変更する効果をもっています。
これは、通常の回復にもちいるかぎりでは、とくに意味のない処理であり、現実的に気にする必要はありません。
意味をもつのは、回復効果の魔法をダメージを与える目的でアンデッドに使用するような状況であり、そうした状況では秘伝は有用にはたらかない、ということを示しています。
《治癒の余光》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 《魔法収束》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 威力で回復する神聖魔法
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 超過回復量を次手番の回復量に上乗せする
- 効果
先んじてもたらした治癒の残滓を利用し、強力な治癒を実現します。
“威力で回復する神聖魔法”の行使に宣言し、その1回に有効な秘伝です。
適用された魔法による回復が、その対象の最大HPを超過したならば、対象ごとに「実際に超過した値」を記録します(たとえば、最大HP30、現在HP23のキャラクターに、9点の回復を与えたならば、「実際に超過した値」は「2」点です)。ただし、この記録する値は、最大でも「習得者のプリースト技能レベル」を超えません。
記録から20秒(2ラウンド)以内に、次に習得者が“威力で回復する神聖魔法”でそのキャラクターに回復をもたらすとき、その回復量を「+(記録した値)」点します。この効果を発揮するとき、記録を消去します。効果を発揮したうえで、ふたたび超過したならば、あらためて記録します。
記録が残っているあいだに、ふたたびこの秘伝を宣言した回復を試みた場合、超過量を確認したうえで、元の記録を維持するか、新しい記録に置き換えるかを、習得者が任意に選びます。
《快癒の曙光》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《クリティカルキャストⅠ》
- 限定条件
- 威力で回復する神聖魔法
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 威力で回復する神聖魔法にクリティカルの可能性をもたらす
- 効果
治癒力を研ぎ澄ませて、強力な治癒作用を狙います。
宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、“威力で回復する神聖魔法”を行使するとき、クリティカルと同じ処理で振り足しが発生します。このとき、クリティカル値は⑩として扱います。
ただし、その魔法は「抵抗:任意」となります。この「抵抗:任意」とする効果は、この流派外の「抵抗」を変化させる効果に優越します。
〈女神のヴェール〉(⇒『Ⅲ』248頁、『ET』139頁)のような、同様の効果をあらかじめ受けている場合には、代わりにそのクリティカル値を-1します。この効果でクリティカル値が7以下となることはありません。
《全癒の金光》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《ダブルキャスト》変化型
- 前提
- 《治癒の余光》
or《快癒の曙光》
- 限定条件
- 威力で回復する神聖魔法
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 魔力低下なしで、威力で回復する神聖魔法を連続行使する
- 効果
ふたつの魔法のあいだで魔力を共有し、連続して強力な治癒魔法を唱えます。
基礎特技を踏襲しつつ、追加で行使する魔法で魔力が-10されません(行使可能レベルの半減は基礎特技に同様です)。
ただし、これを宣言する魔法と、追加で行使する魔法は、ともに“威力で回復する神聖魔法”でなければなりません。また、それらの魔法はともに「抵抗:任意」となります。この「抵抗:任意」とする効果は、この流派外の「抵抗」を変化させる効果に優越します。