【地砂踏鳴ザイヤート鉄尾術】
(カスロット砂漠)- 入門条件
- 50名誉点
この流派の発祥は、魔動機文明に遡ります。この流派の発祥には2つの集団が関わっています。
魔動機文明時代には身体部位の欠損を補うために、魔動機でできた義肢を用いることがよくありました。その義肢を制作していた工房が、その集団の1つ目です。彼らの造る義肢は非常に性能が良く、生身の手足よりも思い通りに動くと評判でした。しかし技師たちは、それに満足しませんでした。彼らは研究に研究を重ね、身体を「補う」ための義肢から、身体を「拡張する」ための義肢を造るようになっていきました。3つ目の手や脚につける外骨格など、様々な“義肢”を作っていった彼らでしたが、中でもひときわ異質なものがありました。「鉄尾」と呼ばれる5~7mほどの多節尾です。高いところや遠いところに伸ばす第3の手として開発されたものでしたが、その長さゆえに、うまく扱えるものがおらず一度は廃盤になりかけました。
ここに現れるのが、もう1つの集団、ザイヤート流という武芸者の集団でした。彼らはもともと体をしならせて鞭のように振るう打撃を得意とする流派でした。しかし人の体には実際には骨があり、関節があり、長さも限られていました。彼らはより自由で、より遠くまで届く「腕」を求めていました。
この2つの集団が出会ってからは、話はすぐに進んでいきました。ザイヤード流の戦士たちは「鉄尾」を扱うだけの技術を持ち、技師たちはそれに応えるだけの技術を持っていたからです。程なくして彼らは技術体系をまとめ上げ、ザイヤート鉄尾術として完成させました。