【古モルガナンシン王国特務・局限魔導術】
(コルガナ地方)- 入門条件
- 150名誉点
この流派は、魔法文明時代に存在したモルガナンシン王国(⇒『BM』56頁)に存在した、もうひとつの特殊な魔法運用法をあらわします。
冒険者には知る者も多くなった“戦域魔導術”は、元は軍隊のような大規模な集団で運用することを想定した技術でした。対してこの“局限魔導術”は、最小ひとりからの少数精鋭による、決戦用の魔法技術となっています。
“局限魔導術”は、モルガナンシン王国の特務部隊で使われたものであり、初代部隊長セルヴィーニがその基礎を考案したとされます。以来、歴史の流れとともに洗練を重ね、ときおり新しい技法を開発しながら、王国滅亡にいたるまで継承されていたようです。
その詳細は高度な機密に指定されていたようで、滅亡とともに失われたと見られていました。しかしながら近年、いくつかの遺跡から断片的な情報や当時の品が発掘されており、あるていどまで再整理されつつあります。
ヴァレンティノ・ロッセリーニの後継者は、“局限魔導術”全容の解明をいまなお進めています。すぐれた実力と実績のある冒険者には、調査の助力を依頼することもしばしばです。また、その成果次第では、(現時点で整理できている範疇のみですが)この秘技を学ぶことも認められています。
変更履歴
- 2025-08-27 02:05
- すべての秘伝に「前提」として《ルーンマスター》を指定しました。
- 2025-06-26 22:53
- 初版
流派装備
〈セルヴィーニの苑魔帯〉は、各秘伝の条件となっている、この流派の技を使うために必須の装飾品です。
それ以外の二種のアイテムについては、秘伝と関係していない、独立的な効果をもつ品です。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
セルヴィーニの苑魔帯 | 18 | 装飾品:首 | 30,000 +50名誉点 | 秘伝の限定条件を満たし、魔法に対する抵抗力判定+2。他者の「抵抗:任意」の魔法に自動的に抵抗 |
セルヴィーニの堰魔環 | 18 | 装飾品:手 | 12,000 +50名誉点 | 行使判定-1。壊すとペナルティがなくなりボーナス+1、ダメージ+3 |
セルヴィーニの魔導礼装/セルヴィーニの上級魔導礼装/セルヴィーニの特級魔導礼装 | 18 | 〈非金属鎧〉A/S/SS | 60,000 +100名誉点/120,000+150名誉点/240,000+200名誉点 | 魔力+1/+1/+2。被魔法ダメージ-1/-3/-5 |
秘伝
《局限魔導術スヴェトラーナ》
- 必要名誉点
- 100
- タイプ
- 《魔法拡大/威力確実化》変化型
- 前提
- 《ルーンマスター》
- 限定条件
- 〈セルヴィーニの苑魔帯〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 消費+1倍ごと、威力表の出目+1
- 効果
大量のマナを練り上げ、攻撃の確度をより高めます。
この秘伝を宣言した手番においては、すべての魔法行使において、これを適用するかどうかを選択できます。
適用する場合、消費を2倍、3倍、……、とするごとに、威力の決定時に振る出目が+1、+2、……、と上昇します。出目が13以上となることはなく、よって、倍率は11倍を事実上の最大とします。この効果でクリティカル値以上となったなら、そのダメージはクリティカルします。
この効果で出目が上昇するのは、最初の1回のみで、クリティカル後の振り足しには無効です。ただし、広い範囲に影響を与える魔法などで、複数の対象に対して威力表をもちいる場合は、その対象ごと、この効果を受けます。
消費倍率と出目上昇量の早見表を以下に示します。倍率 出目上昇量 2倍 +1 3倍 +2 4倍 +3 5倍 +4 6倍 +5 7倍 +6 8倍 +7 9倍 +8 10倍 +9 11倍 +10
《局限魔導術エルネスタ》
- 必要名誉点
- 100
- タイプ
- 《魔法拡大/確実化》変化型
- 前提
- 《ルーンマスター》
- 限定条件
- 〈セルヴィーニの苑魔帯〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 消費+1倍ごと、行使判定+1(上限あり)
- 効果
大量のマナを練り上げ、魔法の精度をより高めます。
この秘伝を宣言した手番においては、すべての魔法行使において、これを適用するかどうかを選択できます。
適用する場合、消費を2倍、3倍、……、とするごとに、行使判定に+1、+2、……、とボーナス修正を得ます。
ただし、倍率には使用する魔法使い系技能のレベルに応じて上限があります。
具体的な、倍率ごとに必要な技能レベルは、次のとおりです。技能レベルがどれだけ高くとも、「5倍=ボーナス+4」を超えることはできません。倍率 ボーナス修正 必要技能レベル 2倍 +1 1レベル 3倍 +2 3レベル 4倍 +3 7レベル 5倍 +4 13レベル
《局限魔導術マリーツェル》
- 必要名誉点
- 100
- タイプ
- 《ディフェンススタンス》変化型
- 前提
- 《ルーンマスター》
- 限定条件
- 〈セルヴィーニの苑魔帯〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 習得者に持続する効果の解除を妨げる
- 効果
習得者が帯びている魔法などへの干渉を防ぎます。
宣言に際し、習得者が行使可能な系統から、魔法系統ひとつを指定します。
宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、習得者そのものに持続している効果に対して強制的な解除が試みられる場合、その持続効果と解除手段の達成値の比べあいに先立って、習得者と解除手段のあいだで達成値の比べあいをおこなえます。
習得者は、「宣言時に指定した系統の魔力」を基準値として判定します。習得者が受動側です。これは魔力を基準値とはするものの、「行使判定」ではなく、「行使判定」に限定されたボーナス/ペナルティ修正(例:〈ソーサラースタッフ〉(⇒『Ⅱ』254頁、『ET』117頁)の効果)は適用されません。魔力への増減などは、むろん有効です。
習得者側が有利な結果となった場合、その時点で強制的な解除は失敗となります。習得者側が不利な結果となった場合には、あらためて持続効果と解除手段の達成値の比べあいをおこない、強制的な解除の成否が決定されます。
この秘伝が有効なのは、習得者そのものに持続している効果への解除についてのみです。習得者ではなく外部の物品に持続している効果(例:【シール・エンチャントメント】)や、空間に持続している効果(例:【レイジング・アース】)に対する解除の試みなどには、無効です。
この秘伝は、基礎特技と「使用」「リスク」が異なります(「リスク:なし」です)。