【ヤシャンデル刃糸殺法】
- 入門条件
- ダークハンター技能&50名誉点
魔動機文明時代とは科学の時代であり、さまざまな知的・技術的探求が試みられました。とくに初期には武器の模索が盛んであり、そのひとつに、“金属線を刃とする武器”の研究があります。“鞭”と“剣”の長所を併せ持つ武器として考案されたことが、その始まりだったと記録されています。
そして、当時の金属加工技術の粋が結集され、極細の合金ワイヤーが試作されました。
試作品は、理論上は非常に高性能な刃として機能するはずでしたが、大きな問題を残していました。ずばり、“どのように扱うのか”という点です。当時の技術をしても、極細のワイヤーに魔動機構を盛り込むことは耐久性の観点から現実的ではなく――その後、その問題は解決されることがありませんでした。ほどなくしてもたらされた〈ガン〉の爆発的な普及により、それまでの実験的な武器の多くが、開発を打ち切られたためです。
近年、その研究に目をつけたのが、闇狩のマリス・ヤシャンデルです。
とある“奈落の魔域”の内部で、かの研究に関する記録を偶然にも発見したマリスは、そこに可能性を見出しました。ワイヤー、換言すれば“糸”を操るというのは、他ならぬ闇狩が専門とする技術です。「己ならば、ワイヤー刃を扱うことも可能だろう」と、マリスは考えました。
マリスは、懇意の鍛冶師にワイヤーの制作を依頼し……それから一年ののち、鍛冶師は苦悩のすえに、ついにミスリルをもちいたワイヤーを鍛つことに成功しました。きわめて軽量かつしなやかで、すぐれた耐摩耗性をも有するミスリルは、ワイヤーにとって理想の素材でした。かくして、製造のコストを度外視することで、“加工技術が魔動機文明当時に劣る”という課題は素材によって克服されたのです。
鍛冶師が製法を模索する一年のあいだ、マリスは一般的なロープや針金をもちいて、ワイヤーを操るための鍛錬をしていました。そして、いざミスリル製のワイヤーを手に入れると、すぐさま実戦に持ち込みました。
はたして鍛錬は奏功し、ミスリルのワイヤーは魔神やアンデッドを容易く切り刻みました。
その噂を聞きつけた同業者がマリスを訪ねて模倣し、いくらかの意見交換を経て、ワイヤーによる斬撃は闇狩向けの戦闘技術――【ヤシャンデル刃糸殺法】として整理されました。
闇狩以外には扱えず、武器となるミスリルのワイヤーも非常に高価な戦闘方法ではあるものの、高い殺傷力と応用力が識者から評価されつつあります。
流派装備
この流派には、特殊なカテゴリ〈ストリングス〉に属する武器が存在し、秘伝において不可欠となっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
ミスリルストリングス | 13 | 〈ストリングス〉S | 8,500 +50名誉点 | 必要精神力14でSランクの〈ストリングス〉 |
フェイタルストリングス | 13 | 〈ストリングス〉SS | 85,000 +100名誉点 | 必要精神力24でSSランクの〈ストリングス〉 |
秘伝
この流派の秘伝の多くは、専用の操気を使用可能とする効果です。それらの操気は、対応する秘伝を習得した時点で使用可能となるものであり、(一般的な操気のように)ダークハンター技能レベルの上昇によって獲得する必要はありません。
《刃糸の壱・斬線》
《刃糸の弐・豪線》
《刃糸の参・死線》
- 必要名誉点
- 20
30
50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《ターゲッティング》
【気操法】
《刃糸の壱・斬線》【念糸手Ⅰ】
《刃糸の弐・豪線》【念糸手Ⅱ】
- 限定条件
- ―
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 〈ストリングス〉を装備でき、専用操気によって〈ストリングス〉での攻撃をおこなえる
- 効果
気で刃糸を操って攻撃する技法です。
習得者は、カテゴリ〈ストリングス〉の武器を装備できるようになります。《刃糸の壱・斬線》の習得時点ではSランクまでの〈ストリングス〉を装備でき、《刃糸の参・死線》の習得によってSSランクの〈ストリングス〉も装備できるようになります(なお、《武器習熟》とは異なり、ダメージの増加はありません。《武器習熟》のカテゴリに〈ストリングス〉を選んで習得し、そのダメージ増加の効果を得ることは可能ですが、この秘伝による操気がなければ武器として使用することはできません)。
また、秘伝ごとに専用の操気を使用できるようになります。秘伝 装備可能ランク 専用操気 専用操気の射程 《刃糸の壱・斬線》 S [主]【刃糸法Ⅰ】 接触 《刃糸の弐・豪線》 [主]【刃糸法Ⅱ】 5m 《刃糸の参・死線》 SS [主]【刃糸法Ⅲ】 1(10m)
《砥糸の壱・鋭刃》
《砥糸の弐・断命》
《砥糸の参・極死》
- 必要名誉点
- 30
50
70
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《刃糸の壱・斬線》
《必殺攻撃Ⅰ》 【剛力弾】
《刃糸の弐・豪線》《砥糸の壱・鋭刃》
《刃糸の参・死線》《砥糸の弐・断命》
- 限定条件
- ―
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 専用操気により、刃糸の威力を高める
《展糸の壱・斬景》
《展糸の弐・殲景》
- 必要名誉点
- 60
80
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《刃糸の弐・豪線》
《狙撃》
《刃糸の参・死線》《展糸の壱・斬景》
- 限定条件
- 〈ストリングス〉装備
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 専用操気により、周囲への必中攻撃を可能とする
《妙糸の縛・銀累》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《展糸の壱・斬景》
《両手利き》 【念縛術Ⅰ】
- 限定条件
- 【斬景糸】or【殲景糸】
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 【念縛術】の射程を【斬景糸】【殲景糸】の効果範囲内に拡張する
- 効果
刃糸によって敵の動きを制限します。
この秘伝は、習得者による【斬景糸】または【殲景糸】が持続しているあいだにかぎり有効です。
習得者が使用する【念縛術Ⅰ~Ⅲ】は、「形状:起点指定」として、その「射程」にかかわらず、【斬景糸】または【殲景糸】の効果範囲内にいる任意のキャラクター1体を対象にとれるようになります。
《妙糸の攻・茨烈》
《妙糸の攻・舞斬》
《妙糸の攻・劇刃》
- 必要名誉点
- 40
50
60
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《砥糸の壱・鋭刃》
《武器習熟A/ストリングス》 【気集中】
《妙糸の攻・茨烈》《砥糸の弐・断命》 《武器習熟S/ストリングス》
《妙糸の攻・舞斬》《砥糸の参・極死》 《武器の達人》
- 限定条件
- 【刃糸法】
- 使用
- ダークハンター技能
- 適用
- 1回の遠隔攻撃
- リスク
- 生命・精神抵抗力判定-1
生命・精神抵抗力判定-2
生命・精神抵抗力判定-3
- 概要
- 【刃糸法】の命中力判定にボーナスを得て、ダメージを増加
- 効果
刃糸による攻撃に専心し、より苛烈な斬撃を放ちます。
【刃糸法Ⅰ~Ⅲ】による遠隔攻撃について宣言し、その1回に有効な秘伝です。
その遠隔攻撃では、命中力判定にボーナス修正を得て、ダメージが増加します。【斬景糸】や【殲景糸】によって複数の対象をとる場合には、その全体に有効です。
「リスク」として、生命・精神抵抗力判定にペナルティ修正を受けます。
ボーナス修正、ダメージ増加量、リスクの具体的な値は、次のとおりです。秘伝 命中力判定 ダメージ リスク 《妙糸の攻・茨烈》 +1 +2 -1 《妙糸の攻・舞斬》 +2 +4 -2 《妙糸の攻・劇刃》 +10 -3
《妙糸の攻・**》はすべて同名の秘伝とし、(なんらかの理由で宣言回数が増えていたとしても)効果は累積しません。