この流派は、“｜殲鬼隊《せんきたい》”という集団に伝わる、特別な神聖魔法の技法をあらわします。
“殲鬼隊”とは、｜吸血鬼《ヴァンパイア》を滅ぼすことを目的とする集まりであり、その構成員は例外なく、吸血鬼に何かを奪われた来歴をもつ復讐者です。家族や友人はもちろん、人によっては故郷そのものなど、吸血鬼によって大切な者を失ったかれらは、日々を復讐のためだけに邁進しています。

強大な吸血鬼を相手取るために、“殲鬼隊”は、特別な技を編み出しました。
神聖魔法の中でも、不浄に対して高い効力を発揮する一部の魔法を重点的に鍛錬し、吸血鬼やその眷属に対して覿面の効果を得られるように練り上げたのです。これを、かれらの言葉で、【｜滅殺浄晃《めっさつじょうこう》】と呼びます。

隊に属する戦闘要員は、その全員が神聖魔法をあつかう｜神官《プリースト》か、そうでなくとも神官を志す者となっています。大多数は、吸血鬼の天敵たる“太陽神”ティダンの神官か、ミリッツァの“｜復讐神官《アヴェンジャー》”でありつつも、組織として信仰の対象が限定されているわけではありません。それ以外の神格を信仰する者も、少数ながら存在します。

“殲鬼隊”の者たちはみずからの手による復讐を重要視してはいるものの、しばしば遠大な謀略を巡らせる吸血鬼に抗うためには、外部の力を利用することが必要だとも理解しています。とくに冒険者については有用であると考えられており、求めれば【滅殺浄晃】の技を学ぶ機会が与えられることもあります。

なお、“殲鬼隊”はどこかに本拠地をもつようなのですが、その場所が外部の者に明かされることは、けっしてありません。外部から接触可能なのは、あくまで隊に属する個々人か、最大でも各地の都市に存在する支部にかぎられます。

流派装備

この流派には、〈殲鬼の銀印〉という聖印が存在します。これは、秘伝の「限定条件」となっています。