【セリュナ派・エリスティアル月輪剣】
(ランドール地方・ハルシカ協商国)- 入門条件
- 50名誉点
この流派は、ハルシカ協商国の貴族・エリスティアル伯爵家に由来します。
エリスティアル家は武術の名門であり、争い絶えることのないランドール地方にあって、ハルシカ周辺の治安平定に大きく貢献してきました。剣術、とりわけ曲刀と刺突剣の扱いに長け、華麗にして苛烈な技をもって、多くの敵を葬り去ってきたとされます。
しかし、現在から数年ほど前、伯爵家は分裂することになりました。
当時、エリスティアル伯にはふたりの子女がおり、長女をティラー、次女をセリュナといいました。戦傷によって一線を退くことになった伯は、みずからの後継として、妹セリュナを選びました。
セリュナは次女でありナイトメアでしたが、つねに冷静さを失わない精神性から、より適格であるとされたのです。
次女は独立して新流派を立ち上げましたが、セリュナが引き継いだエリスティアル伯爵家は依然として名門と認知されており、相応の数の門下生がいます。次女の流派がティラー派としてエリスティアルを名乗っているため、便宜上“セリュナ派”と呼ばれることもありますが、宗家はこちらです。
当主セリュナが、とくに曲刀による戦いを得意としていることから、現在では曲刀に重きを置いた流派となっています。エリスティアルの曲刀は、慎重に機を窺うことを重視するものであり、そうした性質からも伝統派として見られることがあります。
目下セリュナが目指すのは、ティラー派に負けを認めさせ、再びひとつの流派としてまとめあげることです。
流派装備
この流派には、お抱えの鍛冶師による高品質な曲刀があります。一般的なものよりも反りが強めであり、十分な習熟がなければうまく扱えませんが、門下生たちは好んでこれをもちいます。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
エリスティアルのシミター | 0 | 〈ソード〉A | 1,050 +10名誉点 | 上質ながら、特別な効果のない片手曲刀(必要筋力12/威力17) |
エリスティアルのシャムシール | 0 | 〈ソード〉A | 1,380 +10名誉点 | 上質ながら、特別な効果のない大型曲刀(必要筋力18/威力33) |
エリスティアルのパラメリオン | 0 | 〈ソード〉S | 4,500 +20名誉点 | 非常に上質ながら、特別な効果のない片手曲刀(必要筋力18/威力28) |
エリスティアルのクリークメッサー | 0 | 〈ソード〉S | 6,000 +20名誉点 | 非常に上質ながら、特別な効果のない大型曲刀(必要筋力20/威力40) |
秘伝
限定条件:〈曲刀〉
この流派の秘伝は、〈曲刀〉を条件とします。これは、“はっきりとした反りがあり斬撃に適した、全長70㎝以上~2m未満の、〈ソード〉”を意味します。『基本ルールブックⅠ~Ⅲ』『ET』の範疇でこれに該当するのは、下記に示す_種です。
GMは、より後発の武器や、GMみずからが制作した武器データなどについて、〈曲刀〉に該当するか否かを裁定できます。ただし、カテゴリ〈ソード〉でないもの、「必要筋力」が10を下回る、もしくは24を超えるものは、〈曲刀〉には該当しません。
Bランク
〈サーベル〉(⇒『Ⅰ』301頁、『ET』86頁。用法:1H)
〈ファルシオン〉(⇒『Ⅰ』301頁、『ET』86頁。用法:2H)
〈シャムシール〉(⇒『Ⅰ』301頁、『ET』86頁。用法:2H)
Aランク
〈タルワール〉(⇒『Ⅰ』302頁、『ET』86頁。用法:1H)
※他、流派アイテム〈エリスティアルのシミター〉〈エリスティアルのシャムシール〉が該当
Sランク
該当なし
※流派アイテム〈エリスティアルのパラメリオン〉〈エリスティアルのクリークメッサー〉が該当
SSランク
該当なし
限定条件:〈盾〉非装備、非騎乗
この流派の秘伝は、非常に繊細な体捌きが必要なことから、〈盾〉を装備していてはならず、騎乗していてはいけません。この条件を満たしていなければ、宣言・使用できず、常時型においても効果を受けられません。
《弧月斬》
《明月旋斬》
《真月螺旋斬》
- 必要名誉点
- 20
30
50
- タイプ
- 《必殺攻撃Ⅰ》変化型
《必殺攻撃Ⅱ》変化型
《必殺攻撃Ⅲ》変化型
- 前提
- 《牽制攻撃Ⅰ》
《弧月斬》《武器習熟A/ソード》
《明月旋斬》《武器習熟S/ソード》
- 限定条件
- 〈曲刀〉使用、〈盾〉非装備、非騎乗
- 使用
- フェンサー技能 or バトルダンサー技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- 回避力判定-2
回避力判定-1
なし
- 概要
- ダメージに対して一定割合以下なら防護点を無効化する。無効化成功時はリスクなし
- 効果
身体ごと大きく旋回し、回転運動の力を利用して斬りつける剣技です。
〈曲刀〉をもちいた近接攻撃に宣言する秘伝です。
適用された近接攻撃では、合算ダメージ(⇒『Ⅰ』143頁、145頁)に対して防護点が一定割合以下のとき、防護点では減少できなくなります。具体的な割合は、秘伝ごとにことなり、次のとおりです(いずれも端数は切り上げです)。- 《弧月斬》
- 合算ダメージの四分の一以下
- 《明月旋斬》
- 合算ダメージの三分の一以下
- 《真月螺旋斬》
- 合算ダメージの半分以下
また、《真月螺旋斬》のダメージは、基礎特技と同様に、攻撃対象がもつクリティカルへの耐性を無視します。
この秘伝の効果によって防護点による減少を無効化したならば、この秘伝の「リスク」は「なし」であったものとみなします。
(《弧月斬》および《明月旋斬》は、「使用」が基礎特技と異なることに注意してください)
《幻茨月影》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《かいくぐり》
- 限定条件
- 〈曲刀〉装備、〈盾〉非装備、非騎乗
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 回避成功時、曲刀で反撃する
- 効果
円を描くような回避動作とともに斬りつけ、反撃する剣技です。
習得者が〈曲刀〉を装備しており、かつ、〈盾〉を装備していない状態で、その〈曲刀〉を使用できる技能をもちいて回避力判定をおこない、近接攻撃を回避するたび、効果を発揮する秘伝です(真語魔法【ブリンク】の効果など、技能による回避力判定を介さずに回避した場合は、この発動条件を満たしません)。
ただし、習得者が自由意思による行動や移動を不可能とする性質の状態に陥っていたり、転倒していたり、「限定条件」を満たさなくなったりしているあいだは、仮に回避力判定に成功したとしても、この秘伝は無効となります。
また、10秒(1ラウンド)のあいだにこの秘伝が効果を発揮できるのは、最大で「習得者の最も高い戦士系技能のレベル÷6(端数は切り上げ)」回までです。
効果が発揮されたならば、習得者は、攻撃をおこなったキャラクター(部位)を対象として、装備している〈曲刀〉ひとつをもちいたダメージを与えます。このとき、命中力判定はおこなわず、自動的に命中します。ダメージは、威力表の出目が「1,2」であったものとして算出します。このとき、[剣の加護/運命変転]や賦術【クリティカルレイ】など、出目に作用する効果はいっさいが無効です。
《虚瑛妖眩姿》
- 必要名誉点
- 100
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- 《真月螺旋斬
》《幻茨月影 》《命中強化Ⅱ》
- 限定条件
- 〈曲刀〉装備、〈盾〉非装備、非騎乗
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 「命中力+1」「物理ダメージ+2」の弱点を付与したのち、追加行動する
- 効果
円舞のごとき流麗な動きで敵を翻弄する、この流派の奥義です。
この秘伝は、「射程:接触」「対象:1体全」「抵抗:必中」「時間:10秒(1ラウンド)」の効果として使用します。
対象に「弱点:命中力+1」および「弱点:物理ダメージ+2点」を与え、適用します。元から「弱点:命中力+1」や「弱点:物理ダメージ+X点」を有するキャラクターであった場合、その効果量を合算します。
その後、追加で1回の主動作をおこなえます。ただし、その主動作は、フェンサー技能もしくはバトルダンサー技能による行動でなければなりません。また、追加の主動作の前に補助動作をおこなうことはできません。
この秘伝は、ひとつの手番につき1回しか使用できません。