【リエンフェルド攻性生存術】
(アルフレイム大陸)- 入門条件
- 30名誉点
【リエンフェルド攻性生存術】は、主に軽戦士や戦舞士が、仲間や護衛対象を守るための技術です。
この技は、〈大破局〉直後の混乱期、また街や都市の防衛体制が整っていなかったころに編み出されました。
当時、破壊された城壁や防塁などの修繕の目処はたたず、騎士団なども多くの人員を失って統率を乱していました。当然ながら、そうした状況は生活拠点の防衛をいちじるしく困難にしました。
そうした状況において、在野の有志を金銭などによって雇い、防衛に充てる動きが、各地で自然発生しました。これは、こんにちにおける冒険者の、はしりにあたるものでした。
しかし、そうした者たちの多くは、組織だって防衛線を敷くことに、長けてはいませんでした。正規の騎士団や兵員ですら相当の訓練のうえに習得するノウハウですから、これは無理からぬことと言えるでしょう。強固な鎧や兜やそれらの製造手段が、〈大破局〉の混乱で失われがちであったことも、この傾向を助長しました。
苦戦の続くなか、それでもかれらは、己の持てる技術を活かすかたちで、活路を模索しました。そして、成功例や失敗例を互いに共有し、意見交換を重ねることで、めざましく洗練されていきました。その完成形が、この【リエンフェルド攻性生存術】です。このような柔軟性の発露は、まさしく現在の冒険者にも通ずる、かれらの長所であったといえるでしょう。なお、リエンフェルドの名は、かれらを率先して雇用し治安平定に務めた、アロイス・リエンフェルド侯爵およびその領地名からきています。
【攻性生存術】の技は主に、武器を巧みに利用した防衛術です。武器を構え、それによって相手の動きを牽制し、隙を見出して反撃する……という、ある意味では、軽戦士の典型そのものです。不得手な防御に過剰に力を割かずに、最小限の力で効果的に守りを固め、機を逃さず動く――いかにも冒険者らしい、個性を活かした戦法とも言えるでしょう。
〈大破局〉から三百年ほどが経過し、必要性が当時より大きく薄れた現在でも、【リエンフェルド攻性生存術】の伝承者はすくなからず存在します。一線を退いた冒険者が道場を開いていることもままあり、学ぶ場に不足することはまずありません。
流派装備
この流派には、訓練用の品として〈フォークロッド〉が存在します。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
フォークロッド | 0 | 〈スタッフ〉B | 500 | 防護点+1 |
秘伝
△《護石陣》
△《護矼援陣》
- 必要名誉点
- 30
50
- タイプ
- 《かばうⅠ》変化型
《かばうⅡ》変化型
- 前提
- なし
《護石陣》
- 限定条件
- 回避力判定ペナルティなし
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 効果
特定の味方への攻撃を阻害するように立ち回ります。
宣言時に、他の任意のキャラクター1体を指定します。このとき、《ガーディアンⅠ》を習得しているならば2体まで、《ガーディアンⅡ》を習得しているならば3体まで指定できます。
以降10秒(1ラウンド)のあいだ、指定したキャラクターに対して近接武器、あるいはそれに準じる特殊能力(「射程:接触」かつ「回避力判定/消滅」)の使用がおこなわれるならば、その判定に-1のペナルティ修正を与えます。この効果が発揮されるには、実際に攻撃などがおこなわれたときに、指定したキャラクターと習得者が適切な位置関係(基礎特技に同様です)になければなりません。
基礎特技とは異なり、《薙ぎ払い》などによって複数のキャラクターを対象にとる近接攻撃であっても、これは有効です。一方で、《ガーディアン》習得のもとで指定した複数のキャラクターが同時に対象になった場合でも、ペナルティ修正が累積することはありません。
この効果は、条件を満たしたときに自動的に、1ラウンドに1回のみ発揮されます。この回数制限は、《ガーディアンⅠ》を習得しているならば「1ラウンドに3回まで」、《ガーディアンⅡ》を習得しているならば「1ラウンドに5回まで」となります。
以上について、明記のない点は、基礎特技のそれに準じます。
この秘伝は、習得者が回避力判定への継続的なペナルティ修正をいっさい受けていない状態でのみ宣言できます。宣言した後であっても、回避力判定に継続的なペナルティ修正を受けたならば、その時点でただちに効果が終了します。(装備の効果、戦闘特技のリスク、視界不良や転倒、魔法の効果など、事由を問わず、回避力判定への継続的なペナルティ修正は、いっさい許容されません。ただし、攻撃する側のキャラクターが透明であることによる瞬間的なペナルティ修正(⇒『Ⅱ』79頁)などは、問題ありません)
《護石陣》《護矼援陣》は、《かばう》と同じラウンドに宣言することはできません。
基礎特技同様に、《護矼援陣》は、宣言回数として計上しません。
《弍戎壁》
《弍戎牢壁》
- 必要名誉点
- 30
70
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《回避行動Ⅰ》
《弍戎壁》《回避行動Ⅱ》
- 限定条件
- 《両手利き》、近接武器×2(格闘以外)
- 使用
- —
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 近接攻撃への回避力判定にボーナス修正を得てダメージ軽減、次手番の命中力判定-1
- 効果
ふたつの武器をもちいて攻撃を防ぎます。
“《両手利き》のもとで使用可能な〈格闘〉以外の近接武器を2つ同時に装備している状態”にかぎり、武器攻撃の対象となったとき、その回避力判定の直前に効果の発揮を宣言できます。これは、10秒(1ラウンド)に1回のみ、おこなえます。
効果の発揮を宣言したならば、その回避力判定に+1のボーナス修正を得て、さらに、攻撃命中を受けても、受けるダメージを「-1」点します。
それと引き換えに、次の手番において、武器攻撃の命中力判定に-1のペナルティ修正を受けます。
《弍戎牢壁》の習得者は、効果を発揮できる回数が「10秒(1ラウンド)に2回まで」となり、さらにダメージの軽減量も「-2」点となります。2回にわたって効果の発揮をしたならば、命中力判定へのペナルティ修正はその分だけ累積します。
《拒構勢》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《両手利き》
《牽制攻撃Ⅰ》
- 限定条件
- 《両手利き》、近接武器×2
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 《両手利き》の追加の攻撃の権利と引き換えに、武器の防御性能を向上させる
- 効果
片方の武器をあえて振り抜かず、身を守るために構えておきます。
《両手利き》適用下での2回の近接攻撃の、その2回目をおこなう直前に宣言する秘伝です。
2回目の攻撃をおこなう権利を放棄し、それと引き換えに、10秒(1ラウンド)のあいだ、その攻撃で使用する予定であった武器の防御性能を強化します。
防護点を上昇させる効果をもつ武器ならばその上昇量を+1し、回避力判定にボーナス修正を与える武器ならばそのボーナス修正の値を+1します。もし両方の効果をもつ武器であったなら、両者の恩恵を同時に受けられます。(具体的には、〈ディフェンダー〉(⇒『Ⅰ』302頁、『ET』86頁)や〈マンゴーシュ〉(⇒『Ⅱ』235頁、『ET』114頁)、そして流派アイテム〈フォークロッド〉のような武器を想定した効果です。そうした効果をもつ武器がなければ、この秘伝には直接的な意味はありません。《廻遷撃》の条件を満たすことだけは、そのような武器がなくとも、可能です)
なんらかの理由で主動作の回数が増えていたなどしても、この秘伝を宣言してから手番終了までのあいだは、武器攻撃をおこなえません。魔法行使など、それ以外の主動作は可能です。
《廻遷撃》
《廻勁旋撃》
《廻勁迅雷撃》
- 必要名誉点
- 20
30
50
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
《牽制攻撃Ⅱ》変化型
《牽制攻撃Ⅲ》変化型
- 前提
- 《拒構勢》
《廻遷撃》
《廻勁旋撃》
- 限定条件
- 前手番で《拒構勢》
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の武器攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 近接攻撃のダメージ+2/+4/+8。《弍戎壁》のペナルティ修正無視
- 効果
防御に徹するなかで見出した隙をついて、効果的な攻撃をおこないます。
前回の手番で《拒構勢》を宣言していた場合にかぎり、かつ、手番の中で最初におこなう近接攻撃にのみ、宣言・適用できる秘伝です。ただし、前回の手番の終了から今回の手番を得るまでのあいだに一度でも意識を失っていた場合には、宣言できません。
適用された攻撃のダメージを上昇させます。具体的には次のとおりです。- 《廻遷撃》
- 「+2」点
- 《廻勁旋撃》
- 「+4」点
- 《廻勁迅雷撃》
- 「+8」点
また、これを適用した攻撃にかぎり、《弍戎壁》《弍戎牢壁》による命中力判定へのペナルティ修正を無視できます。