【現代ハールーン式・戦術錬金法】
(ウルシラ地方・ハールーン魔術研究王国)- 入門条件
- アルケミスト技能&30名誉点
錬金術をより積極的に戦闘に活用する流派が、この【戦術錬金法】です。
錬金術と歴史的起源を同じくする魔動機術との併用によって、効率化を図り、高密度な賦術の運用を可能としています。
具体的には、〈ガン〉に着目し、賦術の射出装置として利用することが、技術の中核です。
〈ガン〉に取り付ける射出装置〈タクティカルカードランチャー〉と、弾丸に賦術を込める〈マテリアルバレット〉の二種類の特殊なアイテムをもちいて、射撃と賦術を連携させて戦う姿が特徴的です。
また、秘伝魔法としていくつかの魔動機術が開発(再発見)されており、それらはいずれも賦術の活用を助けるものです。
現在から十年ほど前、魔動機術と錬金術についての研究が進んだことで、両者の共通点や相似点を見出し、効率的に併用する方法が模索されはじめました。そうした試みをハールーンの“知識の剣”が蒐集し、精査して単一の技術体系に整理していくことで、五年ほど前に一定の方法論が確立されました。
その後、“知識の剣”はこれを同国のマギテック協会へと展開し、協会が一部の冒険者などに教示することで、実戦での運用事例を集める段階へと移行しました。
現在では、ランドール地方のハルシカ協商国のマギテック協会にも共有されており、ハールーンかハルシカのいずれであれば、これを学ぶことは容易です。
変更履歴
- 2025-07-29 17:14
- 秘伝《節制錬金法》を追加しました。
- 2025-07-29 16:42
- 《連弾錬金法》の効果と《連続賦術》の相互作用について明記しました。
- 2025-07-05 01:24
- 【イクスパンドエフェクト】について、倍化と《カード軽減》の解決順序を明記しました。(「戦闘特技《カード軽減》等によって、カードの消費量が軽減される場合は、基本の消費枚数に軽減を適用したうえで、部位の数だけ倍化します(よって、《アーマーラスト》のように複数枚を消費する賦術でなければ、軽減の意味はありません)」)
- 2025-07-05 00:56
- 各秘伝魔法について、マギスフィアのサイズを指定しました。
- 2025-07-05 00:42
- 初版
流派装備
〈タクティカルカードランチャー〉は、〈カードシューター〉の一種であり、この流派の要となる流派アイテムです。
〈マテリアルバレット〉は、〈ガン〉でもちいる弾丸の特殊なものです。金銭による直接購入の他、秘伝魔法【クリエイト・マテリアルバレット】によって作製することもできます(割高にはなりますが)。
〈特質効率最適化〉は、〈カードシューター〉を改善し、戦闘特技《カード軽減》をより便利にあつかうための加工です。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
タクティカルカードランチャー | 12 | 冒険者技能用アイテム | 4,500 +30名誉点 | 〈ガン〉に取り付ける〈カードシューター〉 |
マテリアルバレット | 16 | 〈矢弾〉 | 100/800/6,000 | 射撃攻撃に賦術を付帯させられる弾丸 |
特質効率最適化 | 8 | 冒険者技能用アイテムの加工 | 5,000 +20名誉点 | 1ラウンドに1回のみ、《カード軽減》を宣言回数に数えない |
秘伝
△《迅即錬金法》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《連続賦術》
orアルケミスト技能8レベル
- 限定条件
- 〈カードシューター〉
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 【イニシアティブブースト】【エンサイクロペディア】を戦闘準備の権利とは独立して1回ずつ使用できる
- 効果
ガンによってすみやかにカードの射出体勢をととのえ、戦いの機先を制します。
【イニシアティブブースト】および【エンサイクロペディア】を、戦闘準備ではなく、それぞれ「先制判定をおこなう直前」「魔物知識判定をおこなう直前」に、〈カードシューター〉(⇒『Ⅱ』245、『ET』129頁)をもちいて使用できるようになります。これによる賦術の使用は、戦闘準備における賦術の使用権利とは互いに独立的です(つまり、この効果による【イニシアティブブースト】や【エンサイクロペディア】を使おうが使うまいが、別途、戦闘準備での権利によって【バークメイル】等の他の賦術を使用できます)。
これにより賦術を使用する場合、必要なマテリアルカードの枚数が1枚多くなります。
ただし、それをおこなえるのは、各賦術につき10秒あたり1回ずつまでです(=それらの賦術ひとつを複数のキャラクターに連続的に使用することはできません。“戦闘中に追加の魔物が出現してあらたに魔物知識判定をおこなう必要が生じた”ときなどには、やはり10秒あたり1回という制約のもと、使用できます)。“10秒内に、【イニシアティブブースト】と【エンサイクロペディア】を、1回ずつ”は可能です。
この流派はアルケミスト技能とマギテック技能の併用を念頭におくものですが、この秘伝については、マギテック技能と直接的にも間接的にも無関係であり、アルケミスト技能だけで十全の機能をはたします。
流派アイテム〈タクティカルカードランチャー〉は、この秘伝の限定条件を満たします。
《節制錬金法》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《迅即錬金法》
《カード軽減》
- 限定条件
- 〈タクティカルカードランチャー〉
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 《カード軽減》を戦闘準備で宣言できる
- 効果
戦いに備える中でも効率的に賦術を運用し、消耗を低減します。
習得者は、戦闘特技《カード軽減》を、“戦闘準備での、または、《迅即錬金法》の効果による賦術の使用”についても、それが〈タクティカルカードランチャー〉を介したものであるかぎり、宣言できます。
ただし、ふつう宣言特技を宣言できる回数は、「戦闘開始処理」の全体で1回です(――《バトルマスター》等によって増えているならば、このかぎりではありません)。
この秘伝の習得者は、前提となっている《迅即錬金法》の効果から、戦闘準備、魔物知識判定、先制判定で合計3回の賦術使用の可能性がありますが、(通常は)うち1回にしか、《カード軽減》を宣言できません(むろん、《かばうⅠ》など、他に宣言すべきものがあるならば、それとのあいだでも回数は競合することになります)。〈タクティカルカードランチャー〉に〈特質効率最適化〉が施されているならば、その効果により、「戦闘開始処理」全体のうちで1回のみ、回数に計上せずに《カード軽減》を宣言できます。
《連弾錬金法Ⅰ》
《連弾錬金法Ⅱ》
- 必要名誉点
- 50
60
- タイプ
- 《マルチアクション》変化型
- 前提
- アルケミスト技能3レベル
《連続賦術》《連弾錬金法Ⅰ》 アルケミスト技能7レベル
- 限定条件
- 〈タクティカルカードランチャー〉、〈ガン〉
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の射撃攻撃または主動作での賦術使用
- リスク
- なし
- 概要
- 「ガンによる射撃攻撃、および、主動作に準ずる賦術の使用」を連続しておこなう。下位秘伝なら判定-2
- 効果
射撃と賦術の使用を立て続けに実行します。
この秘伝は、〈タクティカルカードランチャー〉を装着した〈ガン〉を装備していなければ宣言できません。
Ⓐ“〈タクティカルカードランチャー〉を装着した〈ガン〉による射撃攻撃”、または、Ⓑ“〈タクティカルカードランチャー〉をもちいた主動作での賦術使用”のいずれかについて、宣言します。
Ⓐ射撃攻撃について宣言したならば、その直後に、〈タクティカルカードランチャー〉をもちいた賦術を主動作に準ずるかたちで1回、使用できます。“主動作に準ずる”とは、“複数を対象にとることができ、賦術判定によって達成値をもとめ、補助動作による賦術とは相互排他である”という意味です。《連続賦術》も有効です。
Ⓑ賦術使用について宣言したならば、その直後に、〈タクティカルカードランチャー〉を装着した〈ガン〉による射撃攻撃を1回、おこなえます。このとき、あらかじめ(=賦術使用の前に)弾丸に魔力を込める魔法を行使しておく必要があります。《連続賦術》の習得者は、《連続賦術》による追加の賦術の使用と、この秘伝による射撃攻撃のうち、いずれを先に実行するかを任意に選べます。
上記ⒶⒷいずれのかたちで効果をあらわすかにかかわらず、双方の判定(命中力判定と賦術判定)には、ともに-2のペナルティ修正が与えられます。上位秘伝《連弾錬金法Ⅱ》であるならば、このペナルティ修正はありません。
秘伝魔法
これらは、すべて魔動機術です。マギテック技能をしかるべきレベルで習得したキャラクターは、名誉点を支払うことで、これらの魔法を習得できます。
- 4
- ≫【クリエイト・
マテリアルバレット】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP1&マテリアルカード1枚
- 対象
- 〈ガン〉1丁
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 一瞬/
永続
- 抵抗
- なし
- 概要
- 〈ガン〉内に〈マテリアルバレット〉を生成する
- 効果
〈マギスフィア〉が即席の弾丸生成機へと変形します。
この魔法を行使するには、MPに加えて、Aランク以上のマテリアルカード1枚を消費しなければなりません。
消費したマテリアルカードよりランクが一段回低い、同じ色の〈マテリアルバレット〉を、対象とする〈ガン〉に装填された状態で作成します。〈ガン〉の装填数に空きがない状態では、効果をあらわしません。
この魔法は「マギスフィア:小」です。
- 6
- ≫【マテリアルオーバーロード】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP3
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- マテリアルカードを追加消費し、一部の賦術判定の達成値にボーナスを得る
- 効果
〈マギスフィア〉が精製機へと変化し、マテリアルカードの特質を高密度化して放てるようになります。
効果時間中、術者は「抵抗:短縮」の賦術を主動作、または、《連弾錬金法》の効果によって使用するに際し、マテリアルカードを追加で消費することを選べます。追加で消費できるのは、最大で4枚までです。このとき、術者が《賦術強化Ⅰ》を習得しているなら最大5枚、《賦術強化Ⅱ》を習得しているなら最大6枚となります。
追加で消費した枚数に等しい値だけ、その賦術判定にボーナス修正を受けます。
戦闘特技《カード軽減》等によって、カードの消費量が軽減される場合は、まず追加の消費量を定めたうえで、本来のものと追加分の合計の消費量に対し、軽減を適用します。
この魔法は「マギスフィア:小」です。
- 8
- ≫【イクスパンドエフェクト】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP5
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 補助動作での「1体」かつ「短縮」の賦術を「1体X」に変更
- 効果
〈マギスフィア〉がノズルへと変化し、賦術の作用を拡げます。
効果時間中に、術者が「対象:1体」かつ「抵抗:短縮」の賦術を補助動作で使用するなら、それを「対象:1体X」として使用します。これにより、複数の部位をもつキャラクターに対してであれば、そのすべての部位をまとめて対象にとることになります。
マテリアルカードの消費は、部位の数だけ倍にしなければなりません。そうできないなら、その賦術は使用できません。戦闘特技《カード軽減》等によって、カードの消費量が軽減される場合は、基本の消費枚数に軽減を適用したうえで、部位の数だけ倍化します(よって、《アーマーラスト》のように複数枚を消費する賦術でなければ、軽減の意味はありません)。
この魔法は、主動作(ならびに《連弾錬金法》の効果)による賦術の使用には、いっさい効果を発揮しません。
この魔法は「マギスフィア:小」です。
- 10
- ≫【スウィフトフィールド】
- 必要名誉点
- 100
- 消費
- MP22
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 一度だけ、【**フィールド】を補助動作で使用できる
- 効果
〈マギスフィア〉に、賦術の展開を代行させます。
直後の1回にかぎり、【クレイフィールド】【スラッシュフィールド】【バリアフィールド】【フレイムフィールド】【レストフィールド】のいずれかを、補助動作で使用できます。ただし、その使用は〈カードシューター〉か〈タクティカルカードランチャー〉をもちいたものでなければなりません。
この魔法は、10秒(1ラウンド)に1回しか行使できません。
この魔法は「マギスフィア:大」です。