【セントユーヴァ改聖祝祷】
(ウルシラ地方・スフバール聖鉄鎖公国)- 入門条件
- プリースト技能&50名誉点
スフバール聖鉄鎖公国(⇒『Ⅲ』293頁)の武官ベラフュール・セントユーヴァが確立したのが、この【改聖祝祷】です。
ベラフュールは“奈落の盾神”イーヴを信仰する高潔な神官戦士であり、“魔域”や魔神から国を守るために奮闘を重ねました。
高い実力をもち、多くの功績を挙げたベラフュールは、しかしながらそれに反し、魔法の技量に不満をかかえていました。
けっして魔法が不得手だったわけではないものの、仲間の魔術師や操霊術師に比べて技術で劣っている――と、本人は感じていたのです。
もともと神聖魔法は、真語魔法や操霊魔法と比較すると、技術面が軽視されがちなきらいがあります。これは、神官への目覚めは本人の意志や努力によらない側面があることと、それゆえに体系的な教練がされづらいことに由来します。
そこでベラフュールは、率直に、魔法の専門家に助言を仰ぐことにしました。
国内の研究機関や魔術師ギルドはもちろん、いっときは任を離れて同盟国ハールーンまでもを訪れ、高名な魔術師や魔導師に師事しました。
努力の甲斐あって完成したのが、特別な〈琢魔の聖印〉と、これをもちいた高度な神聖魔法の技術です。それらは戦いの場における有用性が第一に考えられており、実際、この技を手にした後のベラフュールは、国防においていっそうの活躍を見せるようになりました。
その成果は、【セントユーヴァ改聖祝祷】として一般化され、聖鉄鎖公国では高い評価を得るに至りました。
現在のベラフュールは、老齢から前線を退いていますが、教官としてこの技を教えています。かれは、魔神や蛮族への対処に冒険者が有用なことを認めており、望めば指導してくれるでしょう。
流派装備
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
琢魔の聖印 | 10 | 冒険者技能用アイテム 装飾品:任意 | 2,200 +20~30名誉点 | 流派【セントユーヴァ改聖祝祷】の秘伝の限定条件を満たす |
秘伝
この流派の秘伝は、いずれも流派アイテム〈琢魔の聖印〉の装備を必要とします。これを満たさない場合、秘伝を宣言できず、また、秘伝の効果を受けられません。
《雄渾なる祈り》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《魔力撃》変化型
- 前提
- 《MP軽減/プリースト》
- 限定条件
- 〈琢魔の聖印〉
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- 生命・精神抵抗力判定-1
- 概要
- 近接攻撃のダメージに「プリースト技能レベル」を追加
- 効果
マナの流れを整理し、より安定したかたちで攻撃力を高めます。
適用された近接攻撃のダメージを「+習得者のプリースト技能レベル」点します。
リスクとして、生命・精神抵抗力判定に-1のペナルティ修正を受けます。
(つまり、基礎特技にくらべるとダメージがいくらか下がる代わりに、リスクも軽微である、という主旨の秘伝です)
《煌然なる祈り》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《魔法拡大/距離》
- 限定条件
- 神聖魔法、〈琢魔の聖印〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 「接触」かつ「1体」かつ「一瞬」の神聖魔法に射程を与える
- 効果
マナを離れた場所まで届け、そこに魔法をあらわします。
“「射程」が「接触」、かつ、「対象」が「1体」(「1体全」「1体X」を含みます)、かつ、「時間」が「一瞬」(「一瞬/**」は含みません)”の神聖魔法の行使に先立って宣言する秘伝です。ただし、行使に多くの時間を要する魔法には効果がありません。
適用された魔法は、「射程/形状:1(10m)/起点指定」となります。《ルーンマスター》などによって追加の宣言が可能であるなら、この秘伝の効果を前提に《魔法拡大/数》や《魔法拡大/距離》を適用することもできます。
《静謐なる祈り》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《魔法拡大すべて》
- 限定条件
- 【キュア・**】、〈琢魔の聖印〉
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 威力確実化と確実化を合わせて「3倍」に消費を抑える
- 効果
マナのはたらきを効率化し、強力な魔法をより少ない消費で行使します。
習得者は、威力をもちいる効果の、名称が「キュア・」から始まる魔法の行使に、《魔法拡大/威力確実化》と《魔法拡大/確実化》を同時に適用する場合、両方の拡大を合わせて消費の倍率が「3倍」となります(つまり、本来の“2倍×2倍=4倍”より安価になります)。
他の種類の《魔法拡大/**》も併用する場合、「威力確実化」「確実化」の部分のみを合わせて3倍とし、それに他の拡大による倍加をかけ合わせて、最終的な消費を決定します。