【メルグオルディス屍魂操術】
(アルフレイム大陸・蛮族領域)- 入門条件
- コンジャラー技能&50名誉点(蛮族コミュニティ)
古代魔法文明時代、ドレイクの魔法王アバドラクは、操霊魔法の研究に注力していました。その中でも特に重きを置いていたのが、アンデッドを作り、使役する術です。
アバドラクは、みずからの擁する兵力について、“質”よりも“量”を重視しました。己を含め、並外れた魔法の技を操る魔法王同士の戦争においては、配下の質を半端に追究しても意味が薄い――と考えたためです。
この考えにもとづき、アバドラクは兵力の大部分をアンデッドでまかないました。かれにとっては、戦いで勝利さえすれば、敵国そのものが大量の“材料”となるアンデッドのほうが、ゴーレムよりも調達が容易だったのです。
その戦略が原因となったのかどうかはさておき、アバドラクもまた他の魔法王と同じく、最終的には滅びをむかえました。
多くの時が流れ、魔動機文明時代のこと、ドレイクの将メルグオルディスは、魔法王アバドラクの遺跡を探索しました。そして杖の魔剣“死を紡ぐもの”と、アバドラクが編み出した秘術の一部を手に入れ、以降は“魔法王アバドラクの後継者”を称するようになります。
蛮族の血統については記録が乏しく、メルグオルディスがアバドラクの系譜に連なる者なのか、ただ技術を継承したにすぎないのかは、わかっていません。ですが少なくとも、その自称が名前倒れとならないだけの、驚異的な魔力と統率力を有してはいたようです。
力を蓄えたメルグオルディスは、〈大破局〉において打って出ました。結果的に、本人はその戦乱の中で人族に討ち取られることとなりましたが――かれはあらかじめ、秘術のいくつかを腹心たちに伝授しており、その技は【メルグオルディス屍魂操術】として、現代まで秘密裏に残っています。
【屍魂操術】は、一般に伝わる操霊魔法にくらべて、はるかに凶悪で危険な力です。メルグオルディスの腹心たちは、この力をひそかに拡散し、ふたたび人族に痛打を与える機会を探っています。
この流派における名誉点
この流派は、蛮族コミュニティ内に存在するものです。入門、秘伝魔法の習得、流派アイテムの購入に必要な名誉点は、いずれも蛮族コミュニティでのもの(⇒『BR』103頁)を必要とします。
流派装備
この流派には、秘伝魔法をあつかうための専用の発動体〈ネザーヴェイン〉が存在します。また便宜的に、その起源となった魔剣〈真なる死を紡ぐもの〉も、ここに合わせて掲載します。
そのほか、アンデッドの材料となる“死体”を加工する方法が伝わっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
ネザーヴェイン | 13 | 〈スタッフ〉A | 13,000 +40名誉点 | 呪い属性の操霊魔法の行使判定+2。 【メルグオルディス屍魂操術】の秘伝魔法を行使できる |
真なる死を紡ぐもの | 26 | 〈スタッフ〉SS | 取引不能 | 操霊魔法にさまざまな恩恵をもたらす。【メルグオルディス屍魂操術】の秘伝魔法を行使できる |
屍体強靭化 | 10 | 死体の加工 | 1,000 | これを素材として作製したアンデッドの行動判定+1 |
秘伝魔法
これらは、すべて操霊魔法です。流派アイテム〈ネザーヴェイン〉(ないしは〈真なる死を紡ぐもの〉)を発動体とする場合のみ、これらの魔法を行使できます。
この流派は【ネザーヴェイン対屍霊術】と同様の術を包含しており、この流派に入門したキャラクターは、【ネザーヴェイン対屍霊術】の秘伝魔法も習得できます。この場合、それらの習得に要求される名誉点も、蛮族コミュニティのものが必要となります。
- 2
- 【アンリーシュ・
グラッジ】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP2
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
- 時間
- 一瞬/
10分(60ラウンド)
- 抵抗
- 消滅
- 属性
- 呪い
- 概要
- アンデッドの攻撃性能強化、防御性能低下
- 効果
この魔法は、「分類:アンデッド」でないキャラクターにはいっさいの効果がありません。
また、術者のコンジャラー技能レベルよりも魔物レベルの低いキャラクターに対しては、「抵抗:必中」となります。
対象は暴力性や攻撃性を与えられ、命中力判定に+1のボーナス修正を得て、武器攻撃で与えるダメージが「+1」点されます。それと引き換えに、回避力判定に-1のペナルティ修正を受け、防護点が-1されます(防護点の最小値は0です)。
使役されているアンデッドについては、効果時間中に使役者が(気絶・死亡するなどして)意思決定能力を喪失した場合、残りの効果時間の終了まで、対象のアンデッドは「知能:低い」「反応:敵対的」として自律的に行動します。
- 4
- 【ディシーヴ・
ソード】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP10
- 対象
- 1体全
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 10分(60ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 呪い
- 概要
- 〈守りの剣〉の効力を受けなくする
- 効果
対象が有する“穢れ”を世界に対して隠匿し、〈守りの剣〉(⇒『Ⅰ』348頁)の効力を受けなくします。またそれ以外でも、GMが「“穢れ”に反応する魔法的現象」と判断する効力であれば、この魔法の効果によって免れられる可能性があります。
この魔法には《魔法拡大/**》を適用できません。
この魔法は、1日に「術者のコンジャラー技能レベル」回までしか行使できません。
- 7
- 【プロテクション・
フロム・ リヴィング】
- 必要名誉点
- 40
- 消費
- MP3
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(20m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 呪い
- 概要
- 成立時に確定ダメージ。生者が発生させるダメージを「穢れ度」点軽減する
- 効果
穢れを活性化し、命ある者からの攻撃を退けます。
この魔法の効果を受けたとき、対象は、「対象の穢れ度」点の確定ダメージをHPに受けます。
それと引き換えに、対象は、「分類」が「蛮族」「動物」「植物」「幻獣」「人族」いずれかのキャラクターが発生させるものにかぎり、受ける物理ダメージ・魔法ダメージを、「対象の穢れ度」点、軽減します。(【プロテクション】と異なり、属性による例外はありません)
この軽減効果は、【プロテクション】のそれとは累積しません。【プロテクション】と同時に効果を受けている場合、ダメージごと、最も軽減度合いの大きくなる一方の魔法の効果のみが有効です。
- 10
- 【インファーナル・
ウェポン】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP9
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 呪い
- 概要
- 攻撃を呪い属性にし、物理ダメージ+4
- 効果
武器に強力な呪いを付与します。
対象が武器攻撃をおこなうとき、その攻撃で使う武器を呪い属性の魔法の武器としてあつかい、それが発生させる物理ダメージを「+4」点します。
ただし、対象がおこなった武器攻撃がキャラクター1体(1部位)に命中しない結果となる(攻撃が自動失敗するか、回避される)たび、対象は「4」点の確定ダメージをHPに受けます。
- 13
- 【ハーム・
ソウル】
- 必要名誉点
- 70
- 消費
- MP13
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 呪い
- 概要
- 生者に対してのみ、「魔力」点の確定ダメージ
- 効果
魂を直接に傷つけ、不可避にして不可逆の死をもたらします。
対象に「術者の魔力」点の呪い属性の確定ダメージを与えます。複数の部位をもつキャラクターに対しては、そのすべての部位にダメージを与えます。
このダメージで死亡したキャラクターは、魂が完全に破壊され、蘇生されず、アンデッドとなることもありません。
この魔法は、「分類」が「蛮族」「動物」「植物」「幻獣」「人族」のいずれかであるキャラクターに対してのみ、効果があります。それ以外のキャラクターには、いっさいの効果がありません。