【コリーズ匪衡双剣】
(ブルライト地方・ハーヴェス王国)- 入門条件
- 50名誉点
複数の武器を同時にあつかう戦士は、(拳闘士を除いて)あまり多くありません。その理由は、大きくふたつあります。ひとつは、“利き腕”でないほうの腕の運用が単純にむずかしいこと。もうひとつは、人よりも遥かに巨大な魔物に対しては、両の腕を合わせた力でようやく渡り合えること――です。
それでも、あえて複数の武器をあつかう流派は、ひとつならず存在します。この【コリーズ匪衡双剣】もまた、その一例です。
開祖コリーナ・コリーズは、生来の両利きでした。そのため、剣をとり戦いに赴くうえでも、二本の剣を使うのが当たり前だと、ごく自然に考えました。実際、戦場でもコリーナは双剣を活かして器用に立ち回り、敵を翻弄して戦果をあげていきました。
しかし、女性であり体格にも恵まれなかったコリーナは、ディガッド山脈奥深くにおける大竜との戦いにおいて、前述の膂力の問題に行き当たりました。ふたつの刃を幾度と当てたとて、竜鱗を破るには至らなかったのです。
仲間たちは次々と爪牙に倒れ、自身ひとりとなってからは、支援にも期待できません。万事休すかと思われたその状況から、コリーナは驚異的な粘りを見せました。諦めることなく刃を繰り出し続けたのです。無駄な足掻きと竜は嘲笑いましたが、コリーナは手を、剣を、攻撃を止めませんでした。
絶望的な戦いがどれほども続いたかというとき、コリーナの繰り出した二本の剣が、ついに竜の趾の一本を切り落としました。この瞬間にコリーナは極意を掴み、そこからは逆転劇のごとく、ついに竜を討ち破りました。のちにかれが述懐したところでは、片方の剣の先端が激戦によって欠け、左右の重量バランスが常とは異なる状態にあったことが、極意開眼につながったのだそうです。
コリーナが大竜を倒した一件はすぐに広まり、膂力の不足に悩まされていた軽剣士を中心として、幾人もが助言を求めてかれを訪ねました。コリーナ自身もまた、みずからと同じ苦労をするかれらのために、協力を拒まない姿勢を示します。
そして、複数の者への伝授を試みる過程で、極意の一般化に成功し、【コリーズ匪衡双剣】として確立されました。
上記は二十年以上も前のエピソードであり、開祖コリーナはすでに引退して久しいものの、【匪衡双剣】はいまなお伝承されています。
流派装備
この流派の秘伝は、ふたつの〈ソード〉の必要筋力が一定の差をもつことを求めます。その条件を満たすため、重さを調整するアイテムが伝わっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
ウェイトグリップ | 10 | 冒険道具類 | 200 +5名誉点 | 必要筋力+1~3、命中力判定-1 |
秘伝
この流派は〈ソード〉ふたつをもちいることを念頭においたものであり、すべての秘伝はそれを要求します。
《旋鋭弐刃》《閃利連刃》《殲嵐舞刃》《双具咬撃》については、さらに「ふたつの〈ソード〉の必要筋力の差がちょうど4」であることを要求します。
《旋鋭弐刃》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《両手利き》
《武器習熟A/ソード》
- 限定条件
- 必筋差4の〈ソード〉2つによる《両手利き》
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 必要筋力の差が「4」の〈ソード〉2つをもちいる場合、《両手利き》のペナルティを緩和し、ダメージ+1
- 効果
二本の剣をあつかう動作を巧みに連動させ、重心移動を効率化します。
習得者は、《両手利き》でもちいる〈ソード〉2つの「必要筋力」の差がちょうど「4」である場合にかぎり、《両手利き》による命中力判定へのペナルティ修正が「-1」に緩和され、さらに双方のダメージが「+1」点されます。
《閃利連刃》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《旋鋭弐刃》
《二刀流》
- 限定条件
- 《旋鋭弐刃》
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 《両手利き》の二撃目に下位の宣言特技を回数に数えずに宣言できる
- 効果
二本の剣をもちいた連続攻撃に、既存の術技を最適化します。
秘伝《旋鋭弐刃》の条件を満たしたうえで《両手利き》を適用し、その効果によっておこなう追加の攻撃にかぎり、次の条件を満たす宣言特技ひとつを宣言回数に数えずに宣言できます。
その宣言特技は、置き換え型の戦闘特技のうち、“習得している最上のものより下位のもの”でなければなりません。(たとえば、習得者の有する宣言特技が「《全力攻撃Ⅱ》と《必殺攻撃Ⅲ》」であったとしたら、この秘伝によって宣言できるのは、「《全力攻撃Ⅰ》か《必殺攻撃Ⅱ》(か《必殺攻撃Ⅰ》)」にかぎられます。置き換え型の戦闘特技を習得していないか、習得していても《~Ⅰ》のみである場合には、追加の権利で宣言できるものは存在しないことになり、この秘伝は実質的な意味をもちません)
また、宣言できるのは、一般的な戦闘特技にかぎられ、いずれかの流派に属する秘伝は(前述の条件を満たす戦闘特技の変化型であったとしても)宣言できません。
《殲嵐舞刃》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《閃利連刃》
《二刀無双》
- 限定条件
- 《閃利連刃》
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 二撃目を命中させた場合、さらに確定ダメージを与える
- 効果
連撃によって崩した相手に、不可避の追撃を放つ奥義です。
秘伝《閃利連刃》の効果によってなんらかの戦闘特技を宣言した攻撃をおこない、それを命中させたとき、そのダメージの解決後、攻撃対象に「その手番中、近接攻撃に宣言特技を宣言した回数の3倍」点の確定ダメージを与えます(近接攻撃に宣言した宣言型のものであるならば、秘伝も計上します)。
なんらかの方法によって複数の対象をとった攻撃であった場合には、「1」点以上の適用ダメージを与えたうちから任意に1体を選び、そのキャラクターに対して前述の確定ダメージを与えます。
《双具咬撃》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《旋鋭弐刃》
《双撃》
- 限定条件
- 《旋鋭弐刃》、直前と同一対象
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 必要筋力に応じて、「命中力判定+1」もしくは「ダメージ+4」
- 効果
複数の武器をもつ利を活かし、効果的な連撃を放ちます。
秘伝《旋鋭弐刃》の条件を満たしたうえで《両手利き》を適用し、その効果によっておこなう追加の近接攻撃にのみ宣言できる秘伝です。ただし、直前の近接攻撃と追加の近接攻撃の攻撃対象が同一でないか、一方でも(《乱撃》などによって)複数の対象をとるならば、この秘伝は宣言できません。
適用された近接攻撃では、次の条件に応じて二種類いずれかの効果を得ます。- 直前の攻撃より武器の必要筋力が大きい
- 命中力判定+1
- 直前の攻撃より武器の必要筋力が小さい
- ダメージ「+4」点
△《流戟の構え・堅》
△《流戟の構え・迅》
- 必要名誉点
- 50
50
- タイプ
- 《ディフェンススタンス》変化型
- 前提
- 《両手利き》
《武器習熟S/ソード》
- 限定条件
- 〈ソード〉2つを装備
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 防護点+2/回避力判定+1
- 効果
二本の剣を活用した防御術です。
宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、次の効果を得ます。効果時間中に「限定条件」を満たさなくなったならば、ただちに効果が終了します。- 《流戟の構え・堅》
- 防護点+2
- 《流戟の構え・迅》
- 回避力判定+1
秘伝《閃利連刃》の習得者は、ひとつの戦闘につき1回まで、この秘伝を宣言回数に数えずに宣言できます。この回数制限は、《流戟の構え・堅》と《流戟の構え・迅》で共有されます。
秘伝《殲嵐舞刃》の習得者は、前述の回数制限が「2回まで」に変更されます。
(この秘伝は、基礎特技とことなり、「リスク」をもちません)