【北牙奉竜會・竜化の秘儀】
(ドーデン地方・ノーザンファング連山)- 入門条件
- ドラゴン化の手段&100名誉点
ドーデン地方・ノーザンファング連山(⇒『ドーデン博物誌』88頁)の一帯には、“北牙奉竜會”という結社が存在します。
奉竜會は嵐竜ゼスターヴィントを信奉する集団であり、結社員の大部分はリルドラケンが占めます。その活動目的は“嵐竜に近づく”ことにあるとされます。
奉竜會の起こりは、魔動機文明時代の後期だったと言われます。ノーザンファング周辺におけるトンネル開発の機運の高まりを受け、それに反発するかたちで、ゼスターヴィントへの信奉者が結社を発足しました。
かれらはトンネル開発に少なからず抵抗を試みたようですが、結果的にトンネルが開通へと至ったのは、山を貫く実物から誰の目にも明らかなことです。
トンネルの開通後、奉竜會は一変します。対外的なアプローチはなりを潜め、“嵐竜に近づく”というスローガンに向けた活動へと切り替わりました。このことには、開通前後に會長が命を落とし、指導者が交代したことの影響も大きいと見られます(あまりにも円滑に方針転換がなされたことから、なんらかの根回しと暗殺の可能性が考察されています)。
その後、〈大破局〉による混乱などを経ながらも、現在にいたるまで奉竜會の活動は継続されています。現在の會長は、ヴァルデマー・ファルケンホルストという名の、これもリルドラケンです。
奉竜會の志す“嵐竜に近づく”とは、教条的な題目のたぐいではなく、非常に実践的な、文字通りの意味をもっています。
具体的には、魔法文明の遺産〈竜珠〉や、【竜身】の真語魔法などをもちいて、実際に“竜へと変身する”試みをともなうものなのです。
むろん、そうしたドラゴン化のすべはごく限られた者のみがもちうる奥義であり、會員の中でも該当者は少数です。ですが、まだ変身のすべをもたない者たちも、ドラゴンを志し、〈竜珠〉の捜索や真語魔法の修練などに打ち込んでいます。
ゼスターヴィントは、もし実在したとすれば、古代竜に相当します。それに近づこうとする奉竜會の者たち――とくに高位の者――は、並みの幼竜や成竜を上回る強力なドラゴンへと変身し、そして竜の体躯を存分にあつかうだけの技倆をもっています。
噂では、発足当初に古文書から復元した遺失魔法をも継承しており、もしそれを行使すれば大竜に変じることすら可能とも言われます。
奉竜會はかなり閉鎖的な組織ですが、〈竜珠〉の発掘に冒険者が寄与した例が多いことを認めてもおり、実績次第では接触をもつことも可能です。とくに、ドラゴンに変身するすべを有する者には、秘儀の一端を授けてくれるかもしれません。
変更履歴
- 2025-08-12 09:23
- 《メイガス・ドラゴン》に魔物知識判定を可能とする効果を追加しました。
- 2025-07-12 19:36
- 初版
流派装備
この流派に伝わるアイテムは、いずれも非常に高価です。これらの品がなくとも、秘伝の大部分は運用可能となっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
超竜の精髄 | 18 | 冒険道具類(消耗品) | 10,000 +50名誉点 | 秘伝《ウルトラ・ドラゴン》の効果を得るための消耗品 |
竜人の加護石 | 18 | 装飾品:任意 | 60,000 +50名誉点 | ドラゴン化のあいだもリルドラケンの[剣の加護]が有効となる |
秘伝
この流派の秘伝は、特例的に、【ビカム・ドラゴン】の効果中にも失われずに効果をあらわします。
限定条件や効果において【ビカム・ドラゴン】とある場合、〈レッサードラゴンの竜珠〉(⇒『AR』106頁)や〈覚醒の竜珠〉(⇒同96頁)の使用ならびにその効果によって、これを満たせます。
《ヘルシィ・ドラゴンⅠ》
《ヘルシィ・ドラゴンⅡ》
《ヘルシィ・ドラゴンⅢ》
《ヘルシィ・ドラゴンⅣ》
- 必要名誉点
- 50
80
110
140
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 生命力&精神力18以上
《ヘルシィ・ドラゴンⅠ》生命力&精神力24以上
《ヘルシィ・ドラゴンⅡ》生命力&精神力30以上
《ヘルシィ・ドラゴンⅢ》生命力&精神力36以上
- 限定条件
- 【ビカム・ドラゴン】
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- ドラゴン化しているあいだの生命・精神抵抗力判定+1~4
- 効果
より頑健なドラゴンへと変身します。
この秘伝の「前提」における能力値の条件は、装備をはじめあらゆる効果を含まない、キャラクター本体の能力値にもとづいて満たす必要があります。種族がリルドラケン(希少種を含みます)のキャラクターは、精神力についてのみ、必要な値が半分になります(すなわち、9以上/12以上/15以上/18以上です)。
習得者は、【ビカム・ドラゴン】の効果中、生命・精神抵抗力判定に、次のとおりボーナス修正を得ます。秘伝 ボーナス修正 《ヘルシィ・ドラゴンⅠ》 +1 《ヘルシィ・ドラゴンⅡ》 さらに+1(小計+2) 《ヘルシィ・ドラゴンⅢ》 さらに+1(小計+3) 《ヘルシィ・ドラゴンⅣ》 さらに+1(小計+4)
《スキルフル・ドラゴンⅠ》
《スキルフル・ドラゴンⅡ》
《スキルフル・ドラゴンⅢ》
- 必要名誉点
- 50
100
150
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 戦士系技能5レベル
《スキルフル・ドラゴンⅠ》戦士系技能9レベル
《スキルフル・ドラゴンⅡ》戦士系技能13レベル
- 限定条件
- 【ビカム・ドラゴン】
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- ドラゴン化しているあいだに特定の宣言特技を使用できる。Ⅲなら「[常]複数宣言=2回」を追加
- 効果
ドラゴンの身体を活かした、高度な体術を身に着けます。
【ビカム・ドラゴン】の効果中に、特定の宣言特技を使用可能となります。これは、習得者本来の習得状況とは無関係です。
各宣言特技には、使用可能な部位が指定されており、その部位でのみ使用できます。これは、ドラゴネットであるかレッサードラゴンであるか(あるいはさらに上位のドラゴンであるか)を問わず、部位の名称のみにもとづいて判断します。部位の概念をもたない「ドラゴンインファント」においては、便宜的に[部位:胴体]であるものとみなします。
具体的な、秘伝と宣言特技、部位の対応は、次のとおりです。秘伝 宣言特技 使用可能部位 《スキルフル・ドラゴンⅠ》 《全力攻撃Ⅰ》 [部位:胴体] 《牽制攻撃Ⅰ》 [部位:翼] 《スキルフル・ドラゴンⅡ》 《魔力撃》 [部位:頭部] 《全力攻撃Ⅱ》 [部位:胴体][部位:尻尾] 《牽制攻撃Ⅱ》 [部位:翼] 《囮攻撃Ⅰ》 [部位:翼] 《スキルフル・ドラゴンⅢ》 《マルチアクション》 [部位:頭部] 《囮攻撃Ⅱ》 [部位:翼]
また、《スキルフル・ドラゴンⅢ》の習得者は、すべての部位について「[常]複数宣言=2回」の能力が追加されます。
《メイガス・ドラゴン》
- 必要名誉点
- 100
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- ソーサラー10レベル、コンジャラー10レベル
- 限定条件
- レッサードラゴン以上への変身
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- ドラゴン化に際して、真語・操霊・深智魔法の能力を引き継ぎ、魔物知識判定の権利を得る
- 効果
ドラゴンに変身した状態で、魔法を高度に操ります。
この秘伝は、【ビカム・ドラゴン】の行使について宣言します。あるいは、〈レッサードラゴンの竜珠〉やそれと同格以上の類似アイテムの使用について宣言することもでき、その場合には「使用:-」「適用:1回のアイテム使用」となります。
この宣言を受けた【ビカム・ドラゴン】(や相当のアイテム)の効果によってレッサードラゴン(ないしは同等以上の他のドラゴン)となっているあいだ、習得者は、以下の三種類の効果を受けます。①使用可能魔法レベルと魔力の継承
真語魔法・操霊魔法のそれぞれについて、「レッサードラゴン」としてのデータではなく、術者本来の技能レベルにもとづいて使用可能魔法レベルが決定され、技能レベルと知力ボーナスにもとづいて魔力が決定されます。ただし、装備などに由来する知力や魔力への影響は、除外されます。ハイマンの種族特徴[魔法の申し子]なども無効です。《魔力強化》の戦闘特技については、効果②によって結果的に有効になる、と考えてください。
深智魔法を導入しているセッションにおいては、上記によって決定された真語魔法・操霊魔法の使用可能魔法レベルと魔力をもとに、「深智魔法のレベルと魔力」(⇒『MA』86頁)に準じて、これを決定します。②戦闘特技の継承
次に示す戦闘特技のうち、習得者が本来習得しているものにかぎり、[部位:頭部]が習得しているものとしてあつかわれます。秘伝は、これらの変化型のものであっても、継承できません。
- 《鷹の目》
- 《マリオネット》
- 《魔力強化Ⅰ~Ⅱ》
- 《ルーンマスター》
- 《魔法拡大の達人》
- 《バイオレントキャストⅠ~Ⅱ》
- 《クリティカルキャストⅠ~Ⅱ》
- 《ダブルキャスト》
- 《カニングキャストⅠ~Ⅱ》
- 《クイックキャスト》③魔物知識判定の権利
ドラゴンに変身しているあいだに、魔物知識判定をおこなうことができます。基準値は、(キャラクターの技能レベルなどには関わりなく)ドラゴンとしての魔力に等しい値となります。
ただし、騎獣として振る舞っているあいだは、この効果は得られません。
《ウルトラ・ドラゴン》
- 必要名誉点
- 120
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《ヘルシィ・ドラゴンⅡ》
- 限定条件
- 【ビカム・ドラゴン】、〈超竜の精髄〉消費
- 使用
- ―
- 適用
- 【ビカム・ドラゴン】の持続中
- リスク
- ―
- 概要
- ドラゴン化に際して〈超竜の精髄〉を消費でき、消費した数だけ行動判定にボーナス
- 効果
ドラゴンを超えたドラゴンへと変身します。
習得者は、【ビカム・ドラゴン】の行使に際して、あるいは、〈レッサードラゴンの竜珠〉や〈覚醒の竜珠〉上の類似アイテムの使用に際して、〈超竜の精髄〉の消費を宣言できます。
このとき、最大で3個までを同時に消費できます。
1個以上を消費したならば、その行動によってドラゴンに変身しているあいだ、習得者は行動判定に+「消費した個数」のボーナス修正を受けます。この効果を個別に解除することは、いかなる手段によっても不可能です(【ビカム・ドラゴン】そのものが解除されたならば、この効果も消滅します)。
秘伝魔法
- 6
- 【ビカム・
ドラゴンインファント】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP20
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 1日
- 抵抗
- 任意
- 概要
- ドラゴンインファントに変身する
- 効果
この魔法は、真語魔法6レベルであり、【ビカム・ドラゴン】(⇒『Ⅲ』146頁、『MA』74頁)と同名としてあつかいます。
魔法レベルの差異と、変身先のデータが「ドラゴンインファント」(⇒『BM』132頁)であることを除き、【ビカム・ドラゴン】と同様です。
- 15
- 【ビカム・
グレータードラゴン】
- 必要名誉点
- 500
- 消費
- MP200
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 1日
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 行使判定+10。グレータードラゴンに変身する
- 効果
この魔法は、深智魔法15レベルであり、【ビカム・ドラゴン】(⇒『Ⅲ』146頁、『MA』74頁)と同名としてあつかいます。
この魔法の行使判定には、+10のボーナス修正を受けます(これにより、強制的な解除を受けづらくなります)。
魔法系統とレベルおよび「消費」の差異、前述のボーナス修正、変身先のデータが「グレータードラゴン」(⇒『Ⅲ』412頁、『ML』178頁)であることを除き、【ビカム・ドラゴン】と同様です。ただし、「グレータードラゴン」には騎獣としてのデータが存在しないため、騎獣として振る舞うことはできません。