【プロ・グラップリング・パッシヴィティ】
(ブルライト地方・マカジャハット王国)- 入門条件
- 【マカジャハット・プロ・グラップリング】(⇒『BM』48頁)入門&50名誉点
“マカジャハット・プロ・グラップリング”の興行においては、原則として“相手の攻撃を避ける”ことをしません。互いの技は受けることを不文律として、その戦いは繰り広げられます。
このような戦い方を可能としているのは、たゆまぬ鍛錬にもとづく演者たちのタフな肉体であるとされています。
それは一定の事実ではあるものの、しかし、真実のすべてではありません。その裏には、最小のダメージで攻撃を受ける、専門的な技術が存在し、かれらの戦いを支えています。
この流派データ【プロ・グラップリング・パッシヴィティ】は、“プロ・グラップリング”の演者たちが内々に継承し磨きあげている、そうした“受け”の極意をあらわすものです。
単純な殴打ならばまだしも、目や首などの重要部位への攻撃は、いかな屈強な演者たちといえど、無防備に受けるわけにはいきません。そこで、このような特殊な技術をもちいて、攻撃を受けきりながらも、それとなく致命的な結果を免れているのです。
もともとは興行用に編み出された技術ではあるものの、優れた拳闘士たちが互いの技を受け止め、流すためにもちいているものですから、実戦においても一定の有効性があります。
実際に、危険な動物や蛮族などを相手どる際には、演者たちも活用しているほどです。
原則的には部外秘の技術ながら、“プロ・グラップリング”の基礎を収め、演者たちと信頼関係を築いたならば、冒険者にもひそかに伝授してくれるようです。
流派装備
この流派には、流派装備は存在しません。
秘伝
「限定条件:グラップラー技能で回避可能」とは、グラップラー技能による回避力判定の権利を有する状態を意味します。つまり、「グラップラー装備可能」ないし「グラップラー専用」以外の鎧の装備・着用、ならびに、あらゆる盾の装備が認められません。また、特殊な効果(例:妖精魔法【グレートキャプチャー】)によって回避力判定の権利を失っているような状態も、これを満たしません。
第二秘伝《重ね外し/重ね撹し》と第三秘伝《一本散らし》は、その効果発揮の条件から、一度の攻撃に対しては相互に排他的です(前者は回避力判定の権利をもとに効果をあらわすもので、後者は《カウンター》の権利をもとに効果をあらわすものであるため、一度の攻撃においては並立し得ません)。
《骨身流し》
《真・骨身流し》
《極・骨身流し》
- 必要名誉点
- 30
70
100
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《回避行動Ⅰ》
《骨身流し》グラップラー技能9レベル
《真・骨身流し》グラップラー技能13レベル
- 限定条件
- グラップラー技能で回避可能
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 《回避行動Ⅰ》の効果と引き換えに防護点+1/+2/+3
- 効果
回避を考えず受けることに集中し、効果的に攻撃を受け流します。
宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、《回避行動Ⅰ》の効果を失うことと引き換えに、防護点を上昇させます。具体的な上昇量は次のとおりです。- 《骨身流し》
- 防護点+1
- 《真・骨身流し》
- 防護点+2
- 《極・骨身流し》
- 〃
これらの宣言後であっても、限定条件を満たさなくなったならば、その時点でただちに効果が終了します。
《極・骨身流し》は、宣言回数として計上せずに宣言できます。
《骨身流し》《真・骨身流し》《極・骨身流し》は互いに同名であるとみなし、その効果は累積しません。
《重ね外し》
《重ね撹し》
- 必要名誉点
- 30
70
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《回避行動Ⅰ》
《重ね外し》グラップラー技能9レベル
- 限定条件
- グラップラー技能で回避可能
- 使用
- ―
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 被命中確定と引き換に、同一手番内の近接攻撃から受けるダメージを軽減
- 効果
あえてみずから攻撃を受けにいき、追撃の間合いやタイミングを狂わせます。
この秘伝は、いずれかのキャラクターが習得者に対して近接攻撃を試みたときに、効果の発揮を選べます。以下では、この“習得者に対して近接攻撃を試みたキャラクター”を、便宜上“攻撃者”と記述します。
習得者は、攻撃者からの近接攻撃に対して回避力判定を要求されたとき、権利を放棄して“攻撃に当たる”ことを選べます。
そうしたとき、判定はおこなわずに、攻撃は習得者に命中します。そのダメージは、通常のルールにもとづいて解決します。
それと引き換えに、「攻撃者が、現在の攻撃者の手番中において、習得者に対してあらたにおこなう近接攻撃」において、習得者が受けるダメージを「-3」点します。攻撃者が複数の部位をもつキャラクターであったならば、そのすべての部位が“攻撃者”であるものとして、すべての部位の近接攻撃に、これは有効です。
(つまり、攻撃者側が、「[主]2回攻撃」や「[常]連続攻撃」、または、複数の部位などによって、複数回の近接攻撃を実行しうることを前提とした秘伝です。近接攻撃を1回しか実行しえないキャラクターの攻撃に対しては、まったくの無益です)
下位秘伝《重ね外し》においては、この効果は、攻撃者が「知能:動物並み」「知能:人間並み」「知能:低い」のいずれかである場合にのみ、効果をあらわします。上位秘伝《重ね撹し》ならば、攻撃者の「知能」を問いません。
この秘伝の効果の発揮を選べるのは、《重ね外し》《重ね撹し》の両方にまたがって、10秒(1ラウンド)に1回のみです。
《一本散らし》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《カウンター》
- 限定条件
- グラップラー技能で回避可能
- 使用
- ―
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 被命中確定と引き換に、ダメージ増加の宣言特技・宣言型能力を無視する
- 効果
本来の破壊力が乗り切らないうちに攻撃に当たり、最小限のダメージで攻撃を受けます。
《カウンター》を試みるに際して、《カウンター》の効果をもちいる代わりに、この秘伝の効果を発揮することを選べます。
そうしたとき、その攻撃は、判定(《カウンター》による命中力判定も、通常の回避力判定も)の余地なく習得者に命中します。
それと引き換えに、そのダメージの決定においては、その攻撃について攻撃側が宣言していた宣言特技・宣言型能力のうち「適用:1回の武器/近接攻撃」の効果の、ダメージにかかわる効果が存在しないものとして、ダメージをもとめます。これにより無視できるのは、その攻撃のダメージにかかわる効果のみです(一般的な宣言特技で例を挙げると、《囮攻撃》や《全力攻撃》のダメージ増加、《必殺攻撃》の出目上昇、《鎧貫き》の防護点半分、などが該当します。《インファイト》のような、「適用」が上記と異なる効果は、無視できません)。攻撃側が「[常]複数宣言」等のもとに複数の効果を宣言していたならば、そのすべてに対して有効です。
なお、《カウンター》の“2dの出目が「12」であったものとする”効果はありません。
この秘伝の効果を発揮した場合でも、《カウンター》を試みたものとして、「10秒(1ラウンド)に1回」の《カウンター》の権利は行使済みとなります。