【再編シラルセン非魔法秘術】
(アルフレイム大陸各地)- 入門条件
- ジオマンサー技能&30名誉点
魔法文明時代の初期と中期のあいだに存在した、シラルセンという国が、この流派の源流です。
当時のシラルセンの王は、世界にあらわれたばかりの異種族、すなわちグラスランナーに着目しました。マナをあつかえない代わりにマナからの干渉を受けづらく、魔法知覚に対する隠密行動すらも可能とするグラスランナーは、魔法研究が活発化していく当時において、現代以上に異質な存在でした。
しかしだからこそ、魔法がさらに発展し高度化していく情勢の中で、グラスランナーの重用こそが他国に先んじる手段である――と、シラルセンの王は考えたのです。
シラルセン王は、グラスランナーを集めた諜報組織を結成しました。
そして、当時すでに忘れられつつあった“相域”の技を、グラスランナーたちに教えました。
相域は、マナを必要としないことからグラスランナーたちにも御しやすく、そして魔法的に感知されないことから、諜報部の戦闘術に適している――というのが、その理由でした。また、この相域の術は、当時の戦闘にも堪えるように、現代よりもかなり実戦的に調節された内容となっていました。
気まぐれで落ち着きのないグラスランナーたちに相域を仕込むのは難航したと推測されますが、すくなくとも一部には、習得させることに成功したようです。
グラスランナーたちから成る諜報機関がどのていど上手くいったのかは、確たる記録がなく、定かではありません。
原因が誰にあるのかはともかく、事実として、シラルセン国がほどなく滅亡したことだけはわかっています。
さて、シラルセンの諜報機関に属したグラスランナーたちは、任地や放浪の旅先などで、乞われるとその相域の技を吹聴したらしいと伝わっています(これが滅亡の一因につながっている、という説もあります)。
そのせいで、国そのものは滅んでしまってからも――幸か不幸か――シラルセン王が開発した相域は、じんわりと世界に拡散していきました。
そこから時代をくだり、魔動機文明時代を経て、〈大破局〉後の混乱期において、多くの天地使いたちが力を発揮したというのは既知の歴史です。
このとき力を顕した中には、口伝のかたちでシラルセン発の相域の技の一部を引き継いでいた者が、すくなからず存在しました。
とある賢者が、その共通点を見出し、各地をめぐって技術体系として編纂し直したのが、【再編シラルセン非魔法秘術】です。
開発から再編までに数千年もの時間があったことから、完全な復元はいまだ成っていません。ですが、現時点で解明できている範疇だけでも実戦に有用であることに疑いはなく、冒険者となった天地使いなどは好んで学ぶようです。
天地使いには歴史や伝統を重んじる傾向があり、現在では当の賢者以外にも、編纂に対して意欲的な者がすくなからず存在しています。
流派装備
この流派の流派アイテムは、その成り立ちから、いずれも魔法の品ではありません。特殊な効果は、ジオマンサーの技術によって実現されていると考えてください。
〈速戦の念珠〉〈気転の念珠〉は、特定の秘伝の条件となるアイテムです。装飾品ではありますが、実質的には消耗品として運用することになります。
〈天籟/地霊の装飾品〉〈大いなる天変/地異の装飾品〉〈凶呼び/大凶/禍神のブレスレット〉は、秘伝と無関係に、ジオマンサーの戦いを補助する効果となっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
速戦の念珠 | 10 | 装飾品:任意 | 1,000 | 秘伝《連想の畳句》の限定条件を満たす |
気転の念珠 | 10 | 装飾品:任意 | 1,000 | 秘伝《変遷の玉章》の限定条件を満たす |
天籟/地霊の装飾品 | 10 | 装飾品 | 1,000~ +20名誉点 | 最初に得る天/地の命脈点+1 |
大いなる天変/地異の装飾品 | 10 | 装飾品 | 8,000~ +50名誉点 | 最初に得る天/地の命脈点+2 |
凶呼びのブレスレット/大凶のブレスレット/禍神のブレスレット | 10 | 装飾品:手 | 500 +10名誉点/3,000+30名誉点/18,000+50名誉点 | 相域のダメージ+1/+2/+3。最大HP-2/-5/-10 |
秘伝
《第三の詞藻》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《相克の標的》
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- ランダム
- 概要
- 相域の効果を最大3体におよぼす
- 効果
相域の力を拡大し、同時に多くのものに影響をおよぼします。
この秘伝を宣言した手番では、《相克の標的》の効果における「2体」が「3体」となります。
相域の効果のキャンセルにおいては、3体ともキャンセルするか、1~2体のみをキャンセルするかを選べます。
宣言時に1dを振り、出目に応じて次のリスクを受けます。出目 リスク 1 下記すべて 2 回避力判定-1 3 生命抵抗力判定-1 4 精神抵抗力判定-1 5 生死判定-4 6 なし
《遡源の追白》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- ジオマンサー技能3レベル
- 限定条件
- 命脈点消費
- 使用
- ―
- 適用
- 相域終了まで
- リスク
- ランダム
- 概要
- すでに使用した相域の命脈点の消費量を+1
- 効果
すでにあらわれた現象を、後追いで強化します。
この秘伝の宣言に際して、ひとつ前のラウンドまでに使用して継続している相域ひとつを指定します。
そして、指定した相域が要求する種類の命脈点を、1点消費します。消費できないならば、この秘伝は宣言できません。
指定した相域は、以降、追加で1点の命脈点が消費されているものとして、その効果を算出します。これによる追加では、相域ごとの消費の上限値を無視します(たとえば、使用時に4点を消費していた【天相:降雷】をこの秘伝において指定したならば、以降は「5点」が消費されているものとして、「10」点の確定ダメージが発生するようになります)。この効果は、その相域が終了するまで継続します。
宣言時に1dを振り、出目に応じたリスクを受けます。出目とリスクの対応は、《第三の詞藻》に同様です。
《連想の畳句》
- 必要名誉点
- 40
- タイプ
- 常時型
- 前提
- ジオマンサー技能5レベル
- 限定条件
- 先制、〈速戦の念珠〉
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- なし
- 概要
- 〈速戦の念珠〉を壊し、先攻時の1ラウンド目に相域を1回追加
- 効果
複数の命脈に並列的に干渉し、立て続けに相域をあらわします。
先制判定において、自身の達成値が敵側自演詠の達成値の最大値より大きかった、あるいは、すべての魔物データの先制値以上であった場合のみ、有効となる秘伝です。
1ラウンド目の習得者の手番にかぎり、装備している〈速戦の念珠〉ひとつを「壊す」と宣言することで、相域を1回、追加で使用できます。
仮に複数の〈速戦の念珠〉を装備していたとしても、この秘伝の効果で「壊す」ことができるのはひとつのみであり、追加も1回のみに限られます。
《変遷の玉章》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- ジオマンサー技能7レベル
- 限定条件
- 〈気転の念珠〉
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ランダム
- 概要
- 通常移動や強制移動などで〈ジオグラフ〉が収納されない
- 効果
混戦の中でも命脈の流れを手放さず、相域を継続させます。
この秘伝の宣言に際しては、装備している〈気転の念珠〉ひとつを「壊す」必要があります。
習得者は宣言してから10秒(1ラウンド)のあいだ、通常移動をしたり、なんらかの手段によって位置(エリア・座標)を変更したり、強制的な移動効果を受けたりした場合でも、〈ジオグラフ〉が収納されなくなります。(全力移動については、依然として収納されなければなりません)
宣言時に1dを振り、出目に応じたリスクを受けます。出目とリスクの対応は、《第三の詞藻》に同様です。