【ヒスダリア重鋼堅陣防衛団】
(ドーデン地方・鉄鉱都市ヒスダリア)- 入門条件
- 50名誉点
【重鋼堅陣防衛団】は、“鉄鉱都市”ヒスダリアが保有する軍事力・鉄鉱警備隊(⇒『ドーデン博物誌』51頁)の内部に存在する小チームです。
都市や採掘拠点などを大規模な襲撃から守るための専門部隊であり、鉄鉱警備隊の中でもとりわけ高い練度を誇ります。
その特徴は、徹底した重装備と、それを頼みとする防衛戦術です。高品質な装備で知られる鉄鉱警備隊においても、こと防具の充実ぶりでは、【重鋼堅陣防衛団】は他の追随をゆるしません。ヒスダリア特産の鉄鉱石と精錬・加工技術を存分に活かして、団員は各々が重厚な金属鎧や盾で武装を固めています。重装度合いは、他国の正騎士などとくらべても上をゆくほどであり、市外からの来訪者が出会った場合には、かならず目をみはることになるとまで言われます。
“重装備”というと、鈍重で防御に傾倒した印象をもたれがちなところがありますが、それに反し【ヒスダリア重鋼堅陣防衛団】はバランスのとれた戦闘集団です。
重量を乗せた攻撃術の破壊力はすさまじいものがありますし、彼我の頭数と機動力を考慮しての防衛線の構築センスは、特筆に値します。さすがに長距離の遠征は不得手としますが、ひとたび展開さえしてしまえば、防衛対象の失陥を敵に許したことは一度としてありません。
拠点防衛を務めとするかれらは、それを誇りにしていると同時に、敵地への進撃を担当する者への敬意も忘れません。とくに“浮遊連峰”や“大裂穴”に潜む蛮族たちを牽制・討伐する冒険者たちの存在は、ヒスダリア存続に欠かせないと認識しており、望めば【重鋼堅陣防衛団】の技を伝授してくれます。
重く動きづらい金属鎧を必要とすることから、冒険者の仕事との相性はよくないと見る向きもありますが、いざ戦闘となったときに頼もしいことは間違いありません。主として、力自慢のソレイユやリルドラケン、スプリガンといった種族が好んでこれを学び、冒険の場で活用しています。
流派装備
この流派には、秘伝における「重装ランク」を調整するための装飾品が存在します。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
ウェイトガントレット/グリーブ | 0 | 装飾品:手/足 | 750 | 「重装ランク」の算出における〈金属鎧〉の必要筋力+3 |
秘伝
この流派の秘伝は、その限定条件や効果において「重装ランク」という特殊な値を参照します。
「重装ランク」は、「装備している〈金属鎧〉の必要筋力の10分の1(端数は切り上げ)」となります。(たとえば、〈プレートアーマー〉(必要筋力21)を装備しているならば、「重装ランク」は「3」となります)
〈金属鎧〉を装備していないならば、「重装ランク」は「0」となります。
《アイアンラッシュ》
《アイアンインパクト》
《スティールインパクト》
- 必要名誉点
- 20
50
100
- タイプ
- 《全力攻撃Ⅰ》変化型
《全力攻撃Ⅱ》変化型
《全力攻撃Ⅲ》変化型
- 前提
- 《防具習熟A/金属鎧》
or《防具の達人》
《アイアンラッシュ》
《アイアンインパクト》
- 限定条件
- 移動後、「重装ランク」1以上
- 使用
- ―
ファイター技能
ファイター技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- 回避力判定不可
- 概要
- 命中力判定+1、命中時は追加で確定ダメージを与える。非命中時は転倒してダメージを受ける
- 効果
防具の重量を乗せ、身体ごと敵にぶつかるように攻撃します。
近接攻撃1回について、宣言・適用する秘伝です。ただし、そのラウンドにおいて通常移動をおこなっており、かつ、「重装ランク」が1以上でなければ、宣言できません。《縮地》を習得しているならば、通常移動の代わりに全力移動でもかまいません。
適用した近接攻撃は、命中力判定に+1のボーナス修正を得ます。
さらに、それが命中した場合、攻撃対象に、追加で確定ダメージを与えます。《薙ぎ払い》などを併用して複数のキャラクターを攻撃対象としていた場合、命中した中から任意の1体を選び、このダメージを与えます。
具体的な確定ダメージの量は、次のとおりです。- 《アイアンラッシュ》
- 「重装ランク」点
- 《アイアンインパクト》
- 「重装ランクの2倍」点
- 《スティールインパクト》
- 「重装ランクの3倍」点
適用した近接攻撃が命中しなかった場合、習得者は転倒し、「重装ランク」点の確定ダメージを受けます。(みずからの手番内で転倒した場合は、その手番のうちには起き上がれない(⇒『Ⅰ』154頁)ことに、注意してください)
〈金属鎧〉(や、後述する《フルメタルファランクス》を習得したうえでの〈盾〉)を必要とする都合上、《アイアンインパクト》は、基礎特技と異なり「使用」に「グラップラー技能」「バトルダンサー技能」が含まれません。
他方、《スティールインパクト》は、基礎特技と異なり、2H武器にかぎらず適用可能です。
リスクとして、宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、習得者は回避力判定をおこなえなくなります。
《バトルマスター》等によって宣言の権利が増加していたとしても、この秘伝は、1ラウンドに1回しか宣言できません。
《フルメタルファランクス》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《防具習熟A/盾》
or《防具の達人》
- 限定条件
- 〈盾〉装備
- 使用
- ―
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 〈盾〉にもとづいて「重装ランク」を加算する
- 効果
盾を巧みに操り、競り合いを有利に進めます。
習得者は、「重装ランク」に、「装備している〈盾〉の必要筋力の20分の1(端数は切り上げ)」を加算します。(たとえば、装備している〈盾〉が〈グロリアス〉であるなら+1、〈パラディンズプライド〉であるなら+2、となります)
複数の〈盾〉を同時に装備している場合は、その中で最も必要筋力の大きなひとつをもとに、上記を算出します。
この秘伝の効果により、〈金属鎧〉を装備しておらずとも〈盾〉の装備によって、「重装ランク」が1以上となりえます。
(「重装ランク」は、この流派の他の秘伝においてのみ意味をもつため、他の秘伝を習得していなければ、この秘伝に意味はありません)
《ディフェンスライン》
《アンブレイカブルライン》
- 必要名誉点
- 50
100
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《ブロッキング》
《バトルマスター》《ディフェンスライン》
- 限定条件
- 「重装ランク」3以上
- 使用
- ―
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 移動不可、《ブロッキング》の効果を拡張する
- 効果
重装備を活用し、敵の進撃を阻みます。
この秘伝の効果中は、移動をおこなえません。移動後にこの秘伝を宣言することは可能です。
宣言から10秒(1ラウンド)のあいだ、《ブロッキング》の効果における「2倍のキャラクター人数(部位数)」および「2倍の人数(部位数)」を、次のように置き換えます。- 《ディフェンスライン》
- 「本来よりも2人ぶん多いキャラクター人数(部位数)」
- 《アンブレイカブルライン》
- 「本来よりも3人ぶん多いキャラクター人数(部位数)」
この秘伝は、「重装ランク」が3以上でなければ宣言できません。
効果中に、なんらかの理由で重装ランクが「3」未満となるか、意識を失うなどして行動不能に陥った場合、ただちに効果が終了します。